SANSUI SR-525
¥44,500(1976年頃)
解説
SR-717の技術を基に開発したダイレクトドライブプレイヤー。
駆動部にはダイレクトドライブ方式を採用しており、駆動モーターには新開発のバイアス方式可飽和磁心型位置検出機構を内蔵したトルクの強い20極30スロットの多極多溝構造のDCサーボモーターを採用しています。
このバイアス方式可飽和磁心型位置検出機構を内蔵したサーボモーターは直接ローターマグネットの位置を検出し、モーター駆動用のスイッチング回路に流れる電流を制御しています。また、このコイルと共にバイファイラー巻きによる発電コイルに、回転速度に比例した3相交流電圧が発生し、基準電圧と比較した電位差によってモーター駆動用スイッチング回路制御し、高精度の回転数を得ています。
モーターのスイッチング機構における補償回路の精度向上や、軸及び軸受部分を鏡面仕上げ、特殊な熱処理を行うなどの精密設計により、優れたオーディオ特性を獲得しています。
トーンアームにはスタティックバランス方式S磁型パイプアームを採用しています。このアームを保持しているホールド部分やベース部分には亜鉛合金ダイキャストを採用しており、強度を高めるだけでなく、音質面に影響を及ぼす有害な部分共振の発生を防止しています。
また、アーム本体の取付部分の剛性を強化するためダブル構造の特殊ワッシャーを使用しており、さらにパイプアーム内部の空洞に特殊ダンプ材を挿入し、パイプ部分の共振を排除しています。
トーンアームの垂直方向の支持に特殊鋼による追従性の良いナイフエッジサポート方式を採用しています。この方式は単純構造なため、機械的強度が高く長期間にわたり初期性能を持続します。
また、水平方向は精密仕上げのスチールボールを用いたアッセンブリー軸受けを採用しており、垂直方向と同様に高感度設計になっています。
トーンアームには糸吊り式インサイドフォースキャンセラーをはじめ、ラテラルバランサー、直読式バランスウェイト、単独操作型オイルダンプ式アームリフター、可変範囲5mmのアーム高さ調整機構などを搭載しています。
シェルとアーム接続端子部には金メッキ仕上げが施されています。
カートリッジ部にはMM型カートリッジであるSV-42をシア用しています。
ヘッドシェルには機械強度の優れたアルミ合金ダイキャスト製を使用しています。
さらに、アームフィンガーも一体化構造とすることで有害な部分共振や変調歪の発生を防止しています。
キャビネットには音響専用に開発したソリッドボードを採用しており、モーター部分をくり抜いた構造となっています。これにより、質量が大きく、しかも内部損失の大きな材質でハウリングマージンが大きくとれ、クリアな音質が得られています。
また、床からの直接振動などに対してはキャビネットとの重量バランスを考慮したインシュレーtーアを採用し、さらに厚型ゴムシートを用いることでハウリングに対処しています。
±3.5%の速度微調整機構を搭載しています。
高域特性の良好な低容量(40pF/m)出力コードを採用しています。
カートリッジの交換により4チャンネル再生にも対応しています。
フリーストップ式のダストカバーを搭載しています。
機種の定格
型式 | レコードプレイヤー |
<ターンテーブル部> | |
駆動方式 | 電子制御ダイレクトドライブ方式 |
モーター | 20極ブラシレスDCサーボモーター |
定格回転 | 33・1/3及び4rpm |
速度調整 | ±3.5% |
ターンテーブル | 310mm径アルミ合金ダイキャスト |
ワウ・フラッター | 0.03%以下(WRMS) |
SN比 | 60dB以上(JIS) |
<トーンアーム部> | |
型式 | スタティックバランスS字型パイプアーム ナイフエッジ方式、針圧直読式 インサイドフォースキャンセラー ラテラルバランサー 4極端しプラグインヘッド式 |
実効長 | 220mm |
オーバーハング | 17.5mm |
<カートリッジ部> | |
型式 | MM型(SV-42) |
周波数特性 | 10Hz~22kHz |
出力電圧 | 3.5mV(1kHz、50mm/sec) |
負荷インピーダンス | 50kΩ |
適正針圧 | 1.5~2.0g |
針先 | 0.5milダイヤ針(SN-42) |
<総合> | |
定格消費電力 | 5W |
外形寸法 | 幅469x高さ150x奥行375mm |
重量 | 9.4kg |