オーディオの足跡

PR:SANSUIの製品をヤフオク!で検索
PR:ヤフオク!で中古オーディオを検索

SC-D77の画像
 解説 

ダイレクト・ドライブ方式とダイレクトマチック方式によるダイレクト&ダイレクト・メカを採用した3ヘッドカセットデッキ。

メカニズム部には駆動モーターが直接キャプスタンを回すダイレクト・ドライブ方式を2モート構成で採用しています。
キャプスタンはFGサーボモーターによる直接駆動となっており、フライホイールをベルトドライブで回すという面倒なメカニズムを排除しています。また、リール駆動はオープンリールデッキに採用されているベルトレス・スリップ・クラッチレスのシンプルなメカを採用しています。いずれの場合も駆動部分が少ないため、エネルギーロスが抑えられ、モーターのトルクそのままをリールの回転に伝達することができます。しかも外乱に強い特性を持っているため性能の向上を実現しています。

SC-D77ではサンスイ独自のダイレクトマチック方式を採用しています。
この方式ではカセットハーフをスプリングによってホールドし、テープの正確なヘッドタッチを可能にしています。このシステムとダイレクト・ドライブメカによって特性を飛躍的に向上させています。

サンスイが独自に開発したSASF(サンスイ・アクティブ・スクレープ・フィルター)を搭載しています。
スクレープ対策のメカニズムはオープンリールデッキでは従来から行われていましたが、サンスイが小型化に成功し、カセットデッキでは初めて実用化しました。
このSASFはキャプスタンに連動して回転するスクレープ・フィルターがテープの微細な振動をシャットアウトしており、変調雑音を大幅に改善し、濁りのないクリアな音質を実現しています。
SC-D77に搭載されたメカニズムでは動特性を改善しながらバックテンションサーボによって常にテープの張り具合を監視しており、テープのバックテンションを一定に保つように動作しています。

録音/再生ヘッドにはオールフェジアロイコンビネーション・ヘッドを採用しています。
録音ヘッドと再生ヘッドにはフェジアロイ(Fe-Si-Al合金)ヘッドを採用しており、接点ロスの無い一体構造を採用し、分離して一つのハウジングに収めた構造となっています。
録音ヘッドは最適な磁界を形成するためヘッドギャップをある程度広くとり、再生ヘッドは狭くとるという設計になっています。また、磁気飽和レベルが高いため高域特性に優れるとともに低歪率で高い耐摩耗性となっています。そのため周波数特性が向上しています。
3ヘッド構成としたことで録音用と再生用にそれぞれ独立した専用アンプを搭載しており、録音しながら同時再生モニターが可能です。

消去ヘッドには2ギャップHi-Bフェライトヘッドを採用しています。

3段切換式テープセレクターを搭載しています。

バイアスファイン回路を搭載しており、使用するテープに合わせてバイアスを±20%調整できます。
また、3ヘッド同時録再モニターが可能なため、録音後の再生音と通常の再生音を瞬時に比較でき、バイアスの最適値を素早く選べます。

フロントパネルには2色LED16ドット・メーターを搭載しています。
このメーターはピーク値のみを2秒間ホールドし、その後自動的にリセットするオートリセット機構を装備しています。

FM・MPXフィルタースイッチを装備しており、19kHzのパイロット信号をカットして綺麗な録音が可能です。

操作系にはコンピュータによるフルロジックコントロールを採用しており、軽快な操作のプランジャーによって様々なオート動作を実現しています。
オートプレイ機能を搭載しており、巻き戻しが終わると停止し、自動的にプレイを開始します。また、オートリピート機能を搭載しているためオートリピートスイッチをオンにさせればテープエンド時に自動的に巻き戻され、繰り返し再生が可能です。
メモリーオートリピート/プレイ機能を搭載しており、メモリーカウンターを000にセットしておけば、オートリピート/プレイのリワインドおよび通常のリワインド時に999でストップし、自動的に再生します。
メモリーカウンターとの組み合わせで任意の場所からのオートリピートやオートプレイも可能です。また、テープリードインとオートプレイの組み合わせでテープの頭を飛ばしての再生も可能です。

全てのモードの操作ボタンにセルフライティング式フェザータッチキーを採用しており、コンピューター制御でダイレクトチェンジができるとともにオペレーション状態が一目でわかります。

無音録音部分をワンタッチで作れる点滅式REC-MUTEスイッチを搭載しています。
動作時は1秒間隔で点滅します。

テープリードイン機構を搭載しており、カセットテープの巻き始めの巻きぐせを正確に一定量だけワンアクションで飛び越せます。

別売りオプションのタイマーとの組み合わせによって留守録音や目覚まし再生が可能です。

ノイズリダクションシステムとしてドルビーNRを搭載しています。

イコライザーアンプ部は3段ダイレクト・カップルド・サーキットを採用しています。
録音アンプはシャントレギュレーテッドPPを採用しており、しかもメカニズム用、ロジック回路用、アンプ回路用に独立した電源回路を採用するなどの音質対策が施されています。
さらにSC-D77ではバイアス発振回路に低歪率のプッシュプル発振回路を採用しており、その性能を一段と高めています。

テープ残量が見やすいハーフバック照明を搭載しています。

シルバーとブラックの2色のカラーバリエーションがありました。

別売りのリモートコントロールユニットRS-7を組み合わせることで遠隔操作が可能です。

機種の定格
型式 カセットデッキ
トラック形式 4トラック・2チャンネル録音/再生
ヘッド 録音/再生:フェジアロイ・コンビネーションヘッド
消去:Hi-Bダブルギャップ・フェライトヘッド
モーター キャプスタン用:FGサーボ・DCダイレクト・ドライブ
リール用:電子制御DCモーター
ワウフラッター 0.035%以下(WRMS)
早巻き速度 約75秒(C-60)
周波数特性(録音/再生) メタルテープ:20Hz~22kHz
         25Hz~21kHz ±3dB
ハイバイアステープ(CrO2):20Hz~18kHz
                  25Hz~17kHz ±3dB
ノーマルテープ(LH):20Hz~17kHz
              25Hz~16kHz ±3dB
SN比(録音/再生、1kHz、シグナルレベル=3% THD) メタルテープ:60dB以上
メタルテープ、ドルビーNR on:5kHz以上において10dB以上の向上
入力感度/インピーダンス(0VU、1kHz) Mic:0.4mV/200Ω~5kΩ
Line:70mV/47kΩ
出力レベル(0VU、1kHz=160pwb/mm) Line:400mV(出力コントロール最大、47kΩ)
Headophone:95mV/8Ω
バイアス周波数 85kHz
消費電力 23W
外形寸法 幅430x高さ128x奥行282mm
重量 5.9kg
別売 リモートコントロールユニット RS-7