
SANSUI FR-D4K
¥37,500(1979年代頃)
解説
コンピューター内蔵フルオート機構を搭載したDDプレイヤー。
フルオート機構の電子回路にはコンピューターLSIを採用しています。
この方式ではメカニズム部にLEDとフォトトランジスタで構成されたアームの位置センサーとリフターの位置センサーが設けられており、それらを入力してコンピューターLSIによってアームとアームリフターを制御しています。フルオート動作中はこれらのセンサーを介してアーム、アームリフターの位置、レコードサイズ設定、リピートなどを繰り返し確認しながら次の信号を出力することで迅速・正確な動作を可能にしています。
エンド溝はアーム位置センサーの1パルス間の時間をパルスカウンターでカウントし、33、45rpmのわずかな差も読み取ります。そして設定された時間内とパルス幅が確認された時、アームがレコードのエンド溝を走っている状態と判断してエンド動作を開始します。また、リピート指令がされている場合はアームはアーム位置センサーで検出できるレコード盤設定地点まで運ばれ、アームレストに戻らずにリードインします。
この機構はストップ優先設計となっており、フルオートのどの位置でもただちにストップ動作に入るため、カートリッジの針を痛める心配がありません。
フルオート機構には専用のモーターを搭載しており、正確な動作を可能にしています。
また、アームとメカニズムは円板クラッチで切り離す構造となっており、トレース中にメカニズムからの影響を受けることのない無接触設計となっています。
トーンアーム部には最適支持点(Dynaoptimum Balanced)アームを採用しています。
この方式は従来の質量集中方式に加えて最適支持点理論を採り入れたもので、アームのピボット位置が動的バランスがとれるような最適位置に設定されています。これによりピボット部分の振動がカートリッジに伝わらず、同時に針先からの不要な振動もピボット部分に伝わらないため、優れたトレースが可能となっています。
ターンテーブル部の駆動モーターには20極30スロットVGサーボモーターを搭載しています。
スイッチ類は前面に設けられており、ダストカバーを閉じたままで全ての操作が可能です。
カートリッジにはエンパイア社製のカートリッジを採用しています。
前面にストロボスコープを搭載しており、明るい照明で見やすさを改善しています。
キャビネットにはハウリングに強いシルバーメタリックキャビネットを採用しており、脚部には新開発のインシュレーターを採用しています。
レコード密着性の良いターンテーブルシートを採用しています。
新型のアクリルダストカバーを採用しています。
ピボット保護機構を搭載しており、アームをアームレストにロックした状態で誤ってスタートさせても20秒後に安全装置が働いてオート動作を停止します。
さらに、アームをアームレストにロックした状態でも特殊スプリングがアームのピボットを傷つけないよう保護しています。
機種の定格
型式 | レコードプレイヤー |
<ターンテーブル部> | |
駆動方式 | 電子制御ダイレクトドライブ方式 |
モーター | DCブラシレスサーボモーター(VGサーボ) |
回転数 | 33・1/3、45rpm |
速度調整範囲 | ±3% |
ターンテーブル | 300mmアルミ合金ダイキャスト製 |
ワウフラッター | 0.028%以下(WRMS) |
SN比 | 72dB以上(DIN-B) |
<トーンアーム部> | |
トーンアーム | 最適支持点方式スタティックバランスS字型 2点ピボット支持 |
有効長 | 220mm |
オーバーハング | 17.5mm |
適合カートリッジ自重 | 4g~10g |
<カートリッジ部> | |
カートリッジ | MI型(エンパイア社製 EP-10) |
周波数特性 | 20Hz~20kHz |
出力電圧 | 4.5mV(1kHz、35.4mm/sec、47kΩ) |
適正針圧 | 1.5g~2.5g |
針先 | 0.7milダイヤ針(ES-10) |
<総合> | |
消費電力 | 9W以下 |
外形寸法 | 幅440x高さ133x奥行385mm |
重量 | 6.3kg |