
SANSUI CD-α607i
¥59,800(1987年頃)
解説
クラスを超えた音質と性能を追求したCDプレイヤー。
メカニズムには低重心・高剛性フローティングシステムを採用したオリジナルメカニズムを搭載しています。
メカニズムの重心を低くし、同時にシャーシからフローティングすることによって外部振動を断ち、内部の振動もメインシャーシや基板の剛性を高めることで低減しています。
サーボ回路にはダイナミックサーボシステムを採用しており、通常の状態ではサーボの負担を軽くし、ディスクに汚れや傷がある場合には瞬時に対応することで応答性の極めて良い安定したトレース能力を得ています。
デジタルフィルターには4倍オーバーサンプリング・デジタルフィルターを採用しており、サンプリング周波数を44.1kHzから4倍の176.4kHzに引き上げ、音楽信号とサンプリング周波数の高次高調波ノイズを低減しています。
このデジタルフィルターは位相特性や遮断特性、群遅延特性に優れており、オーディオ帯域内のリップルも非常に少なくなっています。このため、アナログフィルターの負担が軽くなり、シンプルで緩やかな減衰特性を持つ低次のローパスフィルターの使用で十分なフィルター効果が得られています。この結果、従来の高次アナログローパスフィルターで発生していた音楽信号帯域内の位相の乱れや歪を大幅に低減しています。
D/A変換部には左右独立ツインD/Aコンバーターを採用しています。
D/Aコンバーターには高速シリアルデータ処理が可能な高精度ラダー型D/Aコンバーターを搭載しており、D/A変換時のグリッチ(ノイズ)を追放しています。この高速・高精度D/Aコンバーターを左右チャンネル独立に用いたツイン構成とすることによってチャンネル間の位相差やクロストークを極小とし、音質改善を実現しています。また、微小信号領域で発生するゼロクロス歪を抑制するため、クロスファインサーキットを採用しています。
電源部には独立3電源構成を採用しており、アナログ信号系への他の回路の電源を介した影響を抑えています。
デジタル信号処理部やデジタルフィルター、D/Aコンバーターを同一のクロックで動作させるマスタークロックシステムを採用しています。これにより複数のクロック発振器を使用した時にクロックの位相ズレやクロック周波数の違いから生じる有害なビートを追放しています。
シャーシ構造にはソリッド&アンチフラックス・シャーシを採用しており、メカニズム部と電気回路の各部の相互干渉を抑えています。
脚部には最適な荷重バランスをとった5点支持のCF5インシュレーターを採用しており、外部振動を抑えています。
同軸タイプのデジタル出力端子を搭載しています。
ランダムプレイやバリアブル・ミュージックスキャン、4モードリピートなどの機能を搭載しています。
オートスペース機能を搭載しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
読取り方式 | 非接触光学式 |
ピックアップ型式 | ハイプレシジョン・3ビーム半導体レーザー方式 |
回転数 | 200~500rpm |
チャンネル数 | 2チャンネル |
サンプリング周波数 | 44.1kHz |
量子化ビット数 | 16ビット・リニア |
周波数特性 | 4Hz~20kHz |
高調波歪率 | 0.003%以下(1kHz) |
ダイナミックレンジ | 97dB以上 |
ワウ・フラッター | 測定検知限以下 |
SN比 | 106dB以上 |
出力電圧 | 2V |
定格消費電力 | 13W |
外形寸法 | 幅448x高さ98x奥行317mm |
重量 | 5.4kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |