解説　

それまでの回路技術やノウハウをもとに、妥協を許さない部品の選択や改良・ヒアリングテストによって開発されたプリメインアンプ。

セパレートアンプC-2301やB-2301Lを開発する過程で培ったノウハウを投入しつつ、徹底した防振設計やデッドニング、電磁波の飛びつき対策を施しており、構成パーツの選択についても、カスタム・メイドパーツの開発や、実績のあるパーツを採用しています。

パワー素子にはMOS FETを採用しており、パワー段の左右および±の4箇所にパラレル・プッシュプルで各4個ずつ、合計16個使用しています。これにより低インピーダンスドライブ能力が強化されており、安定度の高いドライブができています。
また、バランス伝送・増幅によりハムやノイズ成分をキャンセルがされており、さらにアースは−側から分離されているため、アースの影響を受けません。このため、外部から混入するノイズ妨害やハムに対して強く、聴感上のSN比や透明感が向上しています。

家電製品やマイコンのクロック・パルスや位相制御ノイズで汚染されているACラインに対策するため、電源回路は増幅回路と同様に、アース化色と無関係なクローズドループとしたバランス電源構成となっています。

映像機器にも対応するため、映像用の入力端子を搭載しています。
映像信号の高周波成分が音質に悪影響を与えるのを防ぐため、映像信号はシャーシ内の配線引き回しを一切行わず、リアパネルのピンジャック背面でICスイッチにより処理しており、IC用の電源もオーディオ系とは別のトランスから給電するなど、物理的にも電気的にも徹底排除しています。
さらにICスイッチ自体の特性も通過帯域10MHzタイプとし、画質劣化を防止しています。

モノラルアンプを2台搭載したと言える程の徹底したツインモノラルコンストラクションを採用しており、小型・高性能にまとめあげています。

パワーダイレクト機能を搭載しており、この機能がONの際は、プリ部やコントロール部の動作は全てシャットオフされ、専用の入力端子からの信号が純粋に増幅されます。
また、この際にもボリューム調整ができるよう、左右独立の専用ボリュームを搭載しています。

操作フィーリングを向上するため、小気味良いスイッチクリック、アルミ無垢削り出しのツマミ、アルミ押し出しのサイドパネル、スイッチ類を照らすシャワーライトなどを採用しています。

スピーカー切り換えは3系統搭載しており、大型スピーカー端子と、キャノンタイプ端子を搭載しています。

プリ部とメイン部の切り離しをフロントパネルで操作でき、左右独立のパワーアンプ入力レベルを搭載しています。また、パワーアンプ・ダイレクト入力を3系統搭載しています。

Offポジション付RECセレクターや、バランスコントロール、ヘッドホン端子などの機能を搭載しています。

機種の定格

型式	マスターコントロールインテグレーテッドアンプ
<パワーアンプ部>
実効出力(10Hz～20kHz、両ch動作)	150W+150W(6Ω) 110W+110W(8Ω)
ダイナミックパワー	320W+320W(2Ω) 240W+240W(4Ω) 190W+190W(6Ω)
全高調波歪率(10Hz～20kHz)	0.008%(8Ω、実効出力時)
混変調歪率(60Hz:7kHz＝4:1、SMPTE)	0.008%(8Ω)
ダンピングファクター	200(8Ω)
周波数特性(1W)	DC～300kHz +0 -3dB
入力感度/入力インピーダンス(1kHz)	1V(2kΩ)
SN比(Aネットワーク)	115dB以上
エンベロープ歪	測定限界値以下
TIM歪(SAWTOOTH)	測定限界値以下
スルーレイト	±150V/μsec(8Ω)
ライズタイム	0.5μsec
ヘッドホン出力	150mW(33Ω)
負荷インピーダンス	4～16Ω
<プリアンプ部>
入力感度/入力インピーダンス(1kHz)	Phono MM:2.0mV/47kΩ Tuner、CD、Tape Play 1、2、3、Line1、2:150mV/47kΩ
最大許容入力	Phono MM:270mV(1kHz)
出力電圧(1kHz)	Tape Rec(PIN):150mV/47kΩ
出力インピーダンス(1kHz)	Tape Rec(PIN):600Ω以上
SN比(Aネットワーク)	Phono MM:88dB以上 Tuner、CD、Tape Play1、2、3、Line1、2:110dB以上
サブソニック・フィルター	16Hz(-3dB、6dB/oct)
プレゼンス(Volume -40dB)	+2dB(200Hz)
オーディオ・ミューティング	-20dB
<その他>
定格消費電力(電気用品取締法)	350W
外形寸法	幅450x高さ176x奥行486mm
重量	32.1kg