SANSUI AU-α607i
¥79,800(1987年発売)
解説
α-Xバランス・サーキットを採用したステレオプリメインアンプ。
α-Xバランス・サーキットは、信号の+側と−側の両方に独立した専用アンプを使用し伝送・増幅する方式で、アースと分離しているため、原理的にアースからのノイズや歪の影響を防いでいます。
また、パワー部入力段をローノイズFETを使用した差動バランス入力としており、信号系の+側と−側の同相成分除去比:CMRR(Common
Mode Rejection Rato)が大きいため、同相ノイズや歪を回路自体がキャンセルしています。
さらに、従来のアンプがアンプ出力とアース間でドライブしていたのに対し、α-Xバランス・サーキットでは+側と−側の両方向からドライブするため、電源系ノイズが混入せず、スピーカーからの逆起電力によるIHM(Interface
Hum Modulation)の発生を防いでいます。
電源部は、アースから独立させクローズドループとした独自のバランス電源を採用しています。
+側と−側で常に電流が等しく、電源のアンバランスによる信号への悪影響を防ぐとともに、ACラインからのノイズや電源変動にも強い設計となっています。
また、レギュレーションに優れた大容量の大型トランスを搭載するとともに、充放電スピードの速いゴールドサプライコンデンサー、ファーストリカバリーダイオードを採用しています。
マスター・レギュレーターに加え、フォノイコライザー基板、プリアンプ基板上にローカルレギュレーターを配置したツインレギュレーターシステムを採用しています。
2段構成のレギュレーターのため、電源変動や負荷変動に強く、安定したクリーンな電源供給を可能にしています。
ディフィートも可能なアクティブ方式トーンコントロールを搭載しています。
パワー部の基板には、振動減衰特性に優れたディスポーシャル基板を採用しています。
シャーシには振動やノイズの干渉を排除する工夫がされたソリッド&アンチフラックス・シャーシが用いられています。各ステージをセパレーターにより完全分離シールドするとともに、最適に荷重配分された5つの大型インシュレーター(CF5インシュレーター)により、外部振動にも対策がされています。
FET構成のフォノイコライザーを採用しています。
サブソニックフィルター、ミューティング、バランスコントロールのアクセサリー回路をパスして、全ての入力ソースをプリドライブ段に直結するソースダイレクト機能を搭載しています。
機種の定格
| 型式 | α-Xバランスインテグレーテッドアンプ |
| <パワーアンプ部> | |
| 定格出力 (10Hz~20kHz、両ch駆動) |
105W+105W(6Ω) 90W+90W(8Ω) |
| 全高調波歪率(実効出力時) | 0.003%以下(8Ω) |
| 混変調歪率(実効出力時) | 0.003%以下(8Ω) |
| ダンピングファクター | 150(8Ω) |
| TIM歪(SAWTOOTH) | 測定限界値以下 |
| <プリアンプ部> | |
| 入力感度/インピーダンス (1kHz) |
Phono MM:2.5mV/47kΩ Phono MC:300μV/100Ω CD、Tuner、Line、Prosessor、Tape/DAT/Play1・2・3:150mV/47kΩ |
| Phono最大許容入力 | MM:210mV(THD 0.01%) MC:21mV(THD 0.1%) |
| 周波数特性 | Phono MM:20Hz~20kHz ±0.2dB CD、Line、Tape/DAT/Play1・2・3:1Hz~300kHz +0 -3dB |
| SN比 | Phono MM:88dB以上 Phono MC:70dB以上 Tuner、Line、CD、Tape/DAT/Play1・2・3:110dB以上 |
| トーンコントロール | Bass最大変化量:±5dB(50Hz) Treble最大変化量:±5dB(15kHz) |
| サブソニックフィルター | 16Hz(-3dB)、6dB/oct |
| ラウドネス | 50Hz:+8dB 10kHz:+6dB |
| オーディオミューティング | -20dB |
| <総合> | |
| 定格消費電力 | 240W |
| 外形寸法 | 幅448x高さ160x奥行441mm |
| 重量 | 16.0kg |