SANSUI AU-9900
¥140,000(1975年発売)
解説
ユニークなシャーシ構造を採用することでオーディオ特性や操作性の向上を図ったプリメインアンプ。
AU-9900では、プリアンプ部、トーンコントロール部はフロントパネル側に、ヒートシンカー、パワートランジスターなどのパワー部及び電源部は後側に配置し、仕切られたレイアウトを採用しています。
これにより、それぞれの機能や動作が独立した状態で一台のプリメインアンプとして集約された機構となっており、相互干渉を低減しています。
プレイヤーなどの入力端子群は前側の右サイドパネルに、スピーカーへの出力端子群は左側サイドパネルに装備されており、信号系の流れが最短経路でスムーズに増幅できるようにしています。
また、入力端子とセレクタースイッチ、イコライザーアンプが近接し、シールド線が削減でき、浮遊容量による高域特性の劣化を防いでいます。
パワーアンプ部は、入力段に差動増幅回路を持つ、全段直結純コンプリメンタリーOCL方式を採用しています。
また、出力段には低歪率で余裕あるパワーが得られるパラレルプッシュプル回路を採用しています。
イコライザー部の入力回路はデュアルトランジスタ採用の差動増幅回路を持つ、フラットアンプ、イコライザーアンプの2アンプ構成となっています。
RIAA補正は高域、低域をそれぞれ単独に行うCR+NF型で、より正確なRIAA特性と位相特性を得ています。
通常のトーンコントロールに加え中域のコントロールが可能なトリプルトーンコントロールを搭載しています。
また、トーンセレクターによりターンオーバー周波数を、低域3段階、高域3段階に切替えできます。
電源部にはレギュレーションが良く、効率の良いトロイダルトランスを使用しています。
また、大容量コンデンサーや安定化電源回路を組み合わせ、各ブロック段へ安定した±電源を供給しています。
保護回路には、温度検出、直流検出、ASO検出カレントリミッター回路を採用しており、スピーカーやパワートランジスタを保護しています。
トーン回路をパスし、フラットな周波数特性が得られるトーンディフィートスイッチを搭載しています。
0dB、-10dB、-20dBに音量レベル設定が可能です。
2回路のテーププレイ回路、テープコピースイッチ、チューナー優先セレクター、ロー/ハイフィルター、ミューティングスイッチ、入力インピーダンス・感度切替スイッチを搭載しています。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
実効出力(両ch動作) | 80W+80W(4Ω、8Ω、20Hz~20kHz) 80W+80W(4Ω、8Ω、1kHz、THD 0.05%以下) |
全高調波歪率(定格出力) | 0.08%以下 |
混変調歪率(70Hz:7kHz=4:1、SMPTE) | 0.08%以下 |
周波数特性(1W時) | 10Hz~50kHz +0 -1dB |
ダンピングファクター | 80(8Ω) |
RIAA偏差(30Hz~15kHz) | ±0.3dB |
負荷インピーダンス | 4Ω、8Ω |
チャンネルセパレーション(1kHz) | Phono1、2:55dB以上 Tuner、Aux1、2、Tape Monitor:60dB以上 |
ハム及びノイズ(IHF) | Phono1、2:65dB以上 Tuner、Aux1、2、Tape Monitor:80dB以上 |
入力感度/インピーダンス(1kHz) | Phono1:2mV、4mV、8mV/30kΩ、50kΩ、100kΩ Phono2:2mV/50kΩ Tuner、Aux1、2、Tape Monitor1:130mV/50kΩ Tape Monitor2(Pin/Din):130mV |
最大許容入力(1kHz、THD 0.1%以下) | Phono1:1000mV(入力感度切替8mV) Phono2:300mV Aux、Tuner:3V |
出力レベル | Tape rec1(Pin):130mV Tape rec2(Pin/Din):130mV/30mV |
トーンコントロール | Bass:±10dB(30Hz) Midrange:±5dB(1.5kHz) Treble:±10dB(20kHz) |
トーンセレクター | Bass:150Hz、300Hz、600Hz Treble:2kHz、4kHz、8kHz |
ローフィルター | -3dB(20Hz)、12dB/oct -3dB(60Hz)、12dB/oct |
ハイフィルター | -3dB(7kHz)、6dB/oct -3dB(12kHz)、12dB/oct |
定格消費電力 | 180W |
外形寸法 | 幅460x高さ160x奥行375mm |
重量 | 17.9kg |