
SANSUI AU-207
¥34,800(1977年頃)
解説
裸特性を重視してワイドレンジ動作を実現した薄型デザインのプリメインアンプ。
パワーアンプ部の回路は全段直結OCL方式となっており、初段にカレントソース付き差動入力回路を1段、次段にカレントミラー付き電流差動プッシュプルドライブ回路、そしてか2段ダーリントン接続で構成されています。
特殊にプリドライブ段はサンスイ独自のプッシュプルドライブ方式によって第2次高調波が打ち消され、裸特性における歪率特性に優れ、電源変動や温度変化に対しても強い回路を実現しています。また、2段ダーリントン接続によって出力インピーダンスを十分に下げ、低歪化を図っています。
フォノイコライザー回路はNF型で、ノイズフィギアの小さな異極性トランジスタを組み合わせた2段直結回路となっており、レギュレーションの良い±電源供給によって安定した動作を得ると共に高ダイナミックレンジを確保しています。
トーンコントロール回路はパワーアンプ部に内蔵した構成となっています。これにより信号が経由する回路が少なくなり、イコライザー段やAuxからパワーアンプ入力段にダイレクトに接続され、音質劣化を抑えています。
また、クリックステップ式を採用する事で操作感を向上させています。
電源部には6,800μFx2のコンデンサーを使用しています。
イコライザーアンプ部から最も離して配置する事で音への影響を排除しています。
ハイカットフィルターやサブソニックフィルターを搭載しています。
ボリュームには2連型クリックステップ式ボリュームを採用しています。
保護回路として、出力端子の直流検出回路やASO(安全動作領域)検出カレントリミッター回路を搭載しています。
ラウドネス機能を搭載しています。
センタークリック式のバランスコントロールを搭載しています。
テープモニタースイッチやヘッドホン端子を搭載しています。
機種の定格
型式 | インテグレーテッドアンプ |
実効出力(両ch動作、THD 0.06%、Aux) | 30W+30W(8Ω、20Hz~20kHz) 34W+34W(8Ω、1kHz) |
ミュージックパワー(1kHz、両ch動作) | 110W(8Ω) |
全高調波歪率(20Hz~20kHz、実効出力時) | 0.06%以下(8Ω) |
混変調歪率(70Hz:7kHz=4:1、SMPTE法) | 0.06%以下(8Ω) |
出力帯域幅(IHF、THD 0.06%、両ch動作、8Ω) | 10Hz~50kHz |
ダンピングファクター(IHF、1kHz、両ch動作、8Ω) | 80 |
RIAA偏差 | 30Hz~15kHz ±0.5dB |
周波数特性 | Aux:10Hz~50kHz +0.5 -1.5dB |
入力感度/インピーダンス(1kHz) | Phono:2.5mV/47kΩ Aux:150mV/47kΩ |
最大許容入力(1kHz、THD 0.05%) | 180mV |
S/N比(IHF、Aネットワーク、ショートサーキット) | Phono:76dB以上 Aux:94dB以上 |
チャンネルセパレーション(IHF、1kHz) | Phono:65dB以上 Aux:68dB以上 |
トーンコントロール | Bass:±12dB(50Hz) Treble:±11dB(15kHz) |
Phonoサブソニックフィルター | 13Hz(-3dB)、6dB/oct |
ハイフィルター | 7kHz(-3dB)、6dB/oct |
ラウドネス(Volume-30dB) | +8dB(50Hz)、+6dB(10kHz) |
ACアウトレット | Switched:1系統(200W) Unswitched:1系統(200W) |
消費電力(電気用品取締法) | 80W(定格) |
外形寸法 | 幅430x高さ110x奥行340mm ラックマウントアダプター付き:幅482x高さ110x奥行347mm |
重量 | 8.4kg ラックマウントアダプター付き:8.6kg |