SANSUI AU-111
¥65,000(1965年発売)
解説
サンスイのブラックフェイス1号機の最高級の真空管プリメインアンプ。
ちょうど真空管とトランジスタが入れ替わる時期に発売され、サンスイ最後にして最高峰の真空管プリメインアンプとして発売されました。
出力管には6L6GCを採用しており、AB1PP固定バイアス方式で動作させています。
また、多重負帰還回路の構成で全帯域にわたって平坦な特性を得ています。
トランスには超広帯域型のアウトプットと、定損が少なくレギュレーションの優れたパワートランスを採用してます。これらのトランスは全て永久保障がされてました。
コントロールアンプ部にはカソードフォロアーを含めて4段構成の増幅回路を使用してます。
また、全てをNFアンプで構成しノイズを抑えています。
プリアンプ部とメインアンプ部がそれぞれ独立して使用できるように設計されています。
低域2段、高域2段の合計4段に上昇点、下降点が切替えられるトーンコントロールを採用しています。
高域低域それぞれを独立して自由にデフィート(トーン回路キャンセル装置)も可能です。
サンスイの入力トランス(A-603、A-604)との組み合わせで、低出力のMC型カートリッジでも使用可能です。
ヘッドアンプは新型シリコントランジスタ(マイクロ・セップ)も採用しています。
中間アンプの初段は入力インピーダンスが高く、出力インピーダンスの低いカソードフォロアー回路を採用しています。
2種類のテープイコライザー。
カソードフォロワーによる低インピーダンステープ録音出力端子。
CRフィードバック方式のロー・ハイフィルター。
ラウドネスコントロール。
全帯域用と3D方式用の灰・カットの2種類のセンター出力端子。
低音域の歯切れを良くするプレゼンスコントロール。
テープモニター、位相切換え、サブボリューム、ヘッドホン端子などのアクセサリーを搭載してます。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ | ||||||
定格出力 | ミュージックパワー(IHFM):96W 実効出力:45W/45W ステレオ実効出力(両ch動作):40W+40W |
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全高調波歪率 | 0.8% | ||||||
混変調歪率(50Hz~5.5kHz) | 0.8% | ||||||
パワーバンドウィズ(IHFM) | 20Hz~20kHz(0.8%にて) | ||||||
周波数特性 | AUX:20Hz~50kHz ±1dB | ||||||
ハム及び雑音(IHFM) | AUX:-80dB Phono:-70dB |
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チャンネルセパレーション | Phono:45dB AUX:50dB |
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残留雑音 | 2mV(8Ω) | ||||||
負荷インピーダンス | 8Ω、16Ω | ||||||
ダンピングファクター | 15 | ||||||
入力感度/インピーダンス(実効出力、1kHz) | Phono1:0.06mv/3.5Ω(A-604使用) Phono2:0.2mV/30Ω~100Ω(A-603使用) Tape Head(19cm/s 9.5cm/s):1.8mV/100kΩ Tuner、AUX、Tape Monitor:220mV/500kΩ |
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録音出力(Pinカソードフォロワー出力) | Phono2入力に対して100倍 Tape Head入力に対して115倍 |
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センターチャンネル出力 | 1.5V/48kΩ(実効出力時) | ||||||
イコライザー特性 | Phono1、2:RIAA Tape Head:NAB(19cm/s、9.5cm/s) |
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プリアンプ出力 | 2.1V/710Ω(実効出力時) | ||||||
トーンコントロール | Low:Defeat、250Hz、500Hz High:Defeat、5kHz、2.5kHz
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ラウドネスコントロール(Volume-30dB時) | 50Hz:+9.5dB、10kHz:+5dB | ||||||
ハイフィルター | 20kHz、-25dB、fo=6kHz | ||||||
ローフィルター | 20Hz、-26dB、fo=125Hz | ||||||
使用半導体等 |
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電源電圧 | AC100V/117V/240V、50Hz/60Hz | ||||||
消費電力 | 280VA(最大) | ||||||
外形寸法 | 幅460x高さ170(ゴム脚除く)x奥行345mm | ||||||
重量 | 24.5kg |