
SANSUI A-α7
¥60,000(1994年頃)
解説
AU-αシリーズの技術をコンパクトに凝縮したアルフシリーズのインテグレーテッドアンプ。
A-α7では、ダイアモンド差動回路とウイルソンカレントミラー回路の組合せを総称してアドバンスド・ダイアモンド差動回路としています。
パワーアンプにダイアモンド差動回路を搭載することによって最終段のパワートランジスタ(LAPT)をゆとりをもってドライブするとともに、信号の立ち上がり特性がよくなり、変化の激しいデジタルソースにも対応しています。
また、パワーアンプ初段にはウイルソンカレントミラー回路を採用しており、初段で発生する回路内ノイズを抑え、アンプトータルでのクオリティを向上させています。
ダイアモンド差動回路は4個のトランジスタが互いに対称の形で動作させた構造とすることでパワフルな電流を得ています。これはサンスイ独自の高速および大電流応答回路であり、この回路をプリドライブ段に採用することによってドライバー段や最終出力段への瞬間的な電流供給能力を向上させています。
入力の差動増幅回路にウイルソンカレントミラー回路を加えると2つの増幅素子に流れる電流を等しくすることができます。この回路をパワーアンプ初段に採用することで増幅素子に流れる電流が常に一定に保たれ、温度変化や素子の非対称が原因となって発生するノイズを抑えています。
ツインモノラルパワーユニット構成を採用しており、L/R間のセパレーションを改善すると共にクロストークを低減し、L/R間の相互干渉を排除しています。
さらに、優れた振動減衰特性を持つインシュレーターやサイドパネルを装備することで音質の劣化を防いでいます。
出力トランジスタにはLAPT(Linear Amplification Power Transistor)を採用しており、高域の伸びを改善するとともに音に対する応答性も改善しています。
電源トランスには、飽和がなだらかで、力強い音質を得るのに適している重量級EIトランスを専用に新開発して搭載しています。
電解コンデンサーには高音質を実現するために新規改良が加えられており、新開発の音響用化成泊を使うことで皮膜内部の欠陥部が従来のもにに比べて30%改善しています。また、新化成方法により電解液中の炭素成分が取り込まれる割合を従来のものに比べて32%抑制しています。さらに、不純物の少ない電解液を開発・採用しています。
ロータリー式の6入力インプットセレクターを採用しています。
CDダイレクト機構を搭載しており、CDの伝送経路を最短化し、ダイレクトにパワーアンプへ入力することができます。
3モードプレゼンスコントロール機能を搭載しており、リスニング状態や組合せスピーカーに合わせて音量バランスが調整できます。
バナナプラグにも対応したネジ式の金メッキスピーカーターミナルを採用しています。
また、入出力端子の全てに金メッキ端子を採用しています。
サラウンドプロセッサーやイコライザーとの接続が可能なプロセッサー端子を搭載しています。
CDやDECK、TUNERのコントロールが可能な32キーリモートコントローラーが付属しています。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
実効出力 | 60W+60W(6Ω) 50W+50W(8Ω) |
実用最大出力 | 85W+85W(EIAJ、6Ω) |
全高調波歪率 | 0.008%以下(1kHz) |
周波数特性 | 5Hz~100kHz +0 -3dB |
ダンピングファクター | 135(8Ω) |
S/N比 | CD Direct:102dB |
入力感度/インピーダンス (1kHz) |
Phono MM:2.5mV/47kΩ Line:150mV/47kΩ |
定格消費電力 | 110W |
外形寸法 | 幅284x高さ125x奥行370mm |
重量 | 7.8kg |
別売 | サイドウッド SW-AD7(¥5,000) |