解説　

サンスイの培った技術を生かして開発された高級レシーバー。

各回路を三枚のプリント基板に集約しています。また、随所にICを採用することで故障などのトラブルを排除し、信頼性、耐久性の向上を計っています。
とくにプリアンプのコントロール部のボリューム類、スイッチ類はプリント基板に直接取り付けてあり、確実な動作をさせています。

パワーアンプ部の回路構成には、全段直結ピュアコンプリメンタリーOCL方式を採用しています。
歪の原因となる結合コンデンサーを取り除き、差動増幅回路、±2電源を採用しています。

イコライザーアンプ部は厳選されたローノイズトランジスタを使用した2段直結回路方式を採用しています。

トーンコントロール回路はCR型を採用しています。

保護回路には、4本の速断ヒューズとさらに電子回路とリレーを組み合わせ、スピーカーやパワートランジスタを保護しています。
この回路は電源ON時のポップノイズ防止の機能も兼ねています。

FMフロント部は初段にローノイズMOS FETを使用し、周波数直線型バリコンとあいまって、微弱な電波をキャッチします。
高安定度を保つため、局部発振段の電源には専用の安定化電源より供給され、周波数変動や他の回路との相互干渉を防止しています。
また、IF部にはセラミックフィルター2段と専用ICを採用することにより選択度特性を向上しています。
また、FMステレオ信号を左右に分離するMPX部もICを使用し、安定したセパレーションを確保しています。

AMチューナー部には、高選択度の2素子セラミックフィルターを採用しています。

テープデッキは2台接続可能で、それぞれ録音再生がきます。
また、DIN端子を搭載しています。

レコードの高域での不快なレコードのスクラッチノイズやテープのヒスノイズを効果的にカットし、聴きやすくするハイフィルタースイッチを搭載しています。

小音量時に音のバランスを保つラウドネススイッチを搭載しています。

オーディオミューティングを搭載しており、スイッチをONにすれば-20dB減衰します。

Stereo-Mono切替のモードスイッチを搭載しています。

局間ノイズを消すFMミューティングスイッチを搭載しています。

FMアンテナ入力端子は300Ωの平衡型と、75Ωの不平衡型を搭載しています。

スピーカー出力は2系統搭載しており、A/B/A+Bが可能です。

予備コンセントを2回路と2個の大型アース端子を搭載しています。

機種の定格

型式	FM/AMステレオレシーバー
<アンプ部>
定格出力	両ch動作: 20W+20W(8Ω、20Hz～20kHz) 27W+27W(8Ω、1kHz) 片ch動作: 40W/40W(4Ω、1kHz) 32W/32W(8Ω、1kHz)
全高調波歪率(定格出力時)	0.5%以下
混変調歪率(定格出力時)	0.5%以下
パワーバンドウィズ(IHF)	15Hz～40kHz
周波数特性	15Hz～30kHz +1 -1dB
RIAA偏差(30Hz～15kHz)	±1.0dB
負荷インピーダンス	4Ω～16Ω
ダンピングファクター	60(8Ω)
ハム及びノイズ	Phono:70dB以上 AUX:80dB以上
入力感度/インピーダンス(1kHz)	Phono:2.5mV/50kΩ(全高調波歪率0.5%以下) AUX:100mV/50kΩ
最大許容入力	Phono:150mV
出力電圧	Tape Monitor Pin:100mV Tape Monitor Din:30mV
トーンコントロール	Bass:±10dB(50Hz) Treble:±10dB(10kHz)
ハイフィルター	-10dB(10kHz、6dB/oct)
ラウドネス	+10dB(50Hz)、+8dB(10kHz)
<FMチューナー部>
感度(IHF)	2.2μV
全高調波歪率	mono:0.5% stereo:0.7%
S/N比	60dB以上
キャプチャーレシオ	2.5dB以上
イメージ・リジェクション	55dB以上(83MHz)
IF・リジェクション	60dB以上(83MHz)
スプリアス・レスポンス・リジェクション	60dB以上(83MHz)
ステレオ・セパレーション	35dB以上(400Hz)
周波数特性	30Hz～12kHz +1 -3dB
<AMチューナー部>
感度(バーアンテナ)	50dB/m(1kHz)
選択度	28dB以上(1kHz、±10kHz)
イメージ・フリケンシー・リジェクション	80dB/m以上(1MHz)
IF・リジェクション	80dB/m以上(1MHz)
<総合>
定格消費電力	70W(最大210VA)
外形寸法	幅444x高さ135x奥行300mm
重量	10kg