
ROKSAN XERXES XER7/XER3
XER7/AMZ:¥400,000(ローズウッド、アーティマイズ仕様、1990年頃)
XER7/SME:¥400,000(ローズウッド、SME仕様、1990年頃)
XER3/AMZ:¥380,000(チーク、アーティマイズ仕様、1990年頃)
XER3/SME:¥380,000(チーク、SME仕様、1990年頃)
解説
キットフォームのカスタムプレイヤーとして発売されたアームレスレコードプレイヤー。
XER7はローズウッド仕上げ、XER3はチーク仕上げが施されていました。
また、それぞれのアーム取付部はROKSANのトーンアームであるARTEMIZ用の仕様とSME仕様の2種類のバリエーションがありました。
その他のアーム取付孔は特注仕様だったようです。
XERXES XER7/XER3は半キット形式で販売され、実際にセットする場所で組み立てるデザインとなっています。
これにより高い精度で加工されたパーツが輸送時に破損するのを防いでいます。
ターンテーブル部にはベルトドライブ方式を採用しています。
駆動モーターには回転振動の少ないクォーツロック式のACシンクロナスモーターを採用しています。このモーターは上下方向に対してリジットに、回転軸に対しては緩やかにスプリングマウントされています。これにより左右方向へ首を振ることで自動的に負荷変動を吸収しており、重いターンテーブルでもつきまとうダイナミックスタビリティの問題を解消しています。また、これによってレコードのかけかえも回転状態のままでドライブベルトを痛める事なく行えるとしています。
スピンドルには直径4mm、軸差精度0.6μmの超精密スピンドルを採用しています。このスピンドルは短時間では軸受に挿入できないほど高い精度で加工されていますが、摩擦が極度に少ないため長期にわたって優れた回転性能を維持する事が可能です。また、装着時にはセンターピースをかぶせて位置を決定し、演奏前に抜き取るデザインとなっており、ターンテーブルシートのフェルトマットだけでレコードを支える事で機械振動が伝わるのを防いでいます。
ターンテーブルはダブル構造となっており、いずれも圧入加工による無共振化2重構造とする事で音質を損なうゴム等のダンプ材を用いずに固有共振を抑えています。また、振動エネルギーの蓄積を防ぐため質量を最小限に設定し、慣性能率を最大限に高めた形状を採用しています。
外周部にはダイアモンドカットを施して高い精度を実現しており、アウタープラッター実装時の偏芯度は最大13ミクロン以内に抑えられています。
キャビネットはトップボードとボトムボードの2層構造となっており、ボトムボードにモーターを配置する事で振動の影響を低減しています。
トップボードとボトムボードはロクサンが特許を持つブロブス・サスペンションによって3点支持で支えられています。このサスペンションは特殊な形状のラバーインシュレーターとダンパーリングを組み合わせた構造となっており、不要な機械振動を低減・吸収しています。また、バネ類を使用しないことで揺れが少ないという特長も持っています。
また、トップボードにはスリットが設けられています。このスリットはコンピューター解析によって決定されたもので、ボードの固有共振を的確に抑える事でターンテーブルとアームやアームと針先が常に正しい位置関係を維持するように機械インピーダンスをコントロールしています。
電源部や駆動回路、操作部は独立した別筐体に収められた設計となっています。
XER7/XER3では新仕様のタイプ2を採用しており、デュアルAクラスアンプやクォーツ電源ユニットによって安定性を高め、駆動力やS/N比を改善しています。
また、MCイコライザーでARTAXERXES専用の給電端子を装備しています。
回転数の切換えにはプッシュ式を採用しています。
別売りオプションとして専用のテーブルがありました。
このテーブルは3点支持設計で、軽質量ながら強靭な構造となっています。また、高さによって3種類のバリエーションがありました。
別売りオプションとして組み立て調整サービスや調整サービスがありました。
機種の定格
型式 | アームレスレコードプレイヤー |
駆動方式 | ベルトドライブ |
回転数 | 33-1/3、45rpm |
ターンテーブル | アウタープラッター2ピース インナープラッター2ピース アルミ製 |
適合アーム長 | 240mm以下 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
外形寸法 | 本体:幅480x高さ155x奥行380mm 電源:幅145x高さ75x奥行230mm |
重量 | -kg |
別売 | トライアングルベース TABLES TAB1a(スモール・高さ17cm、¥55,000) TAB1b(ミディアム・高さ37cm、¥66,000) TAB1c(ラージ・高さ67cm、¥77,000) スピンドルオイル(¥1,000) パワーサプライ XPS-2(¥110,000) ドライブベルト X49(¥7,000) ターンテーブルフェルトマット X48(¥6,000) センターピース(スピンドルアダプター) X11(¥3,800) ヘビーカウンターウエイト S7(¥7,000) トップボード(軸受付き) X2c(チーク、¥65,000) S2g(ローズウッド、¥65,000) ザクシーズ組立調整(¥30,000、トーンアーム/MCイコライザー費用含まず。※1990年当時) ザクシーズ調整(¥20,000、補修パーツ費用含まず。※1990年当時) |