
QUAD FM3
価格不明(1967年発売)
解説
シンプルなデザインと高い受信能力をもたせたFMステレオチューナー。
FM3はフロントパネルにチューニングノブが一つだけ設けられたシンプルなデザインを採用しており、ボリューム、ステレオ/モノ切換、モノホールド、電源ON/OFF等はQUAD33で操作する設計となっています。
RF及び周波数変換ステージにはプロテクティッド・デュアルゲートMOS-FETを採用しており、IFステージとデコーダー部にはICを使用しています。
チューニングは周波数直線型3連バリコンを用いることで高い安定度を得ており、AFCを必要としません。また、必要な帯域幅を確保・維持するためセラミックフィルターを採用しています。
オーディオ出力は受信プログラムに従って5ピンDINプラグのピン3と5にモノラルまたはステレオの左右チャンネル信号が供給されます。さらにピン1にはステレオデコーダーを通過していないモノラル信号が出力されています。
FM3では局間雑音抑制回路は自由に調節できる設計となっており、ノイズ抑制レベルの調整はリアパネルで行うことができます。
この調整は、強い局と局の間を完全に沈黙させることから、全ての信号と雑音を受信する状態まで調節できるようになっており、近距離局だけを聞く場合や遠距離局を聞きたい場合にも対応しています。
フロントノブはチューニングの他にスケール内のステーションマーカーをセットする際にも使用します。チューニングノブを押して指針をそれぞれのマーカーに噛み合わせ、そのままノブを回してチューニングします。
チューニングインジケーターには1955年にQUADが開発したツインランプ式を採用しており、シンプルかつ高精度な選局が可能です。
日本国内で販売されたFM3は特別仕様として受信周波数とスケールが調整されています。
機種の定格
型式 | FMチューナー |
受信周波数 | 76MHz~90MHz |
感度 | グラフ参照 |
アンテナ入力 | 75Ω同軸及び300Ω平衡 |
フルリミッティング | 2μV以下より |
イメージリジェクション | 56dB |
IFリジェクション | 80dB |
400kHz選択度 | 46dB |
キャプチャーレシオ | 3dB |
IFバンド幅 | ±120kHz:-3dB以下 ±400kHz:-60dB以上 |
38kHz以上の出力 | -56dB |
周波数特性 | 20Hz~15kHz ±1dB |
チャンネルセパレーション | 40dB(1kHz) |
歪率 | 0.3%(1kHz、±40kHz) ディビエーション |
出力 | 100mV(30%変調) |
ソースインピーダンス | 5kΩ |
推奨ロードインピーダンス | 50kΩ以上 |
推奨ロードキャパシティ | 1000pF以下 |
ディエンファシス | 50μs |
電源 | AC100V~125V/200V~250V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 6VA |
外形寸法 | 幅260x高さ92x奥行165mm マウント時キャビネットパネルの裏面より140mm (コネクターのためにさらに64mm必要) |
重量 | 2.7kg |