QUAD ESL-63PRO
¥480,000(1台、1986年発売)
¥427,000(1台、1991年頃)
解説
ESL-63をベースにプロフェッショナル用として改良が施されたスピーカーシステム。
ESL-63PROはフィリップス社からの要請が発端となって開発されました。
この要請をもとにESL-63の各部を強化し、ヘビーデューティ設計を徹底するとともに音の伝達をストレート化するためスクリーンまわりに若干の改良が加えられています。
基本原理にはエレクトロスタティック方式を採用しています。
この方式では2枚の固定電極の間に設置された振動板に高電圧をかけて静電気を発生させておき、固定電極にオーディオ信号が送られると振動膜と固定電極の間にクーロン力が働くことで振動膜を作動させています。
ESL-63PROでは振動膜にはメリネックスを採用しています。
この素材は軽さと高い強度を併せ持ち、3.5ミクロンときわめて薄膜でありながら高温・高圧に耐える優れた特長を持っています。
また、同心円状の7分割固定電極と遅延回路によって水の波紋のような球面波を実現しています。
ヘビーデューティ設計として、振動膜保護のためのグリッドスクリーンは堅牢なスチール製を採用しており、サイドウォールにしっかりと固定され、パッキング処理によって微妙なガタつきも防止しています。また、天板部分もしっかりとネジ止めされており、スピーカー全体の強度を高めています。
グリッドスクリーンをスチール製としたことで強度が高まった結果、グリッドスクリーンの開口面積を広くとることが可能なっています。
厳選された薄手のサランネットの効果と併せてモニタリングに最適な音場を獲得しています。
移動に最適なキャリングハンドルを装備しています。
プロ用としてキャノン/バナナプラグ併用入力を備えています。
別売りオプションとしてチルトスピーカースタンドがありました。
このスタンドを用いると、ESL-63PRO/ESL-63を近距離で聴く場合に角度調整が可能です。
機種の定格
型式 | コンデンサー方式・フロア型 |
周波数特性 | 35Hz~20kHz -6dB |
インピーダンス | 8Ω |
出力音圧レベル | 86dB/W/m |
最大入力 | 100W(8Ω、ピーク) |
電源 | AC100~120V/200~240V、50Hz/60Hz |
外形寸法 | 幅660x高さ925x奥行270mm |
重量 | - |
別売 | チルトスピーカースタンド QST-63BK(ブラック)/QST-63BR(ブラウン)、(2台1組、¥90,000) |