
QUAD 510
¥290,000(1台、1985年頃)
解説
プロフェッショナル用として開発されたモノラルパワーアンプ。
回路方式にはQUAD独自のカレントダンピング回路を採用しています。
この回路は世界で初めてフィードフォワード理論の実用化に成功した回路で、ブリッジ回路のバランス作用とフィードフォワード技術を融合した独自の回路で小出力純A級アンプと完全B級動作のダンパー回路で構成されています。ブリッジ回路で検出された歪成分は小出力アンプの歪打ち消し成分によって出力でキャンセルされ、クロスオーバー歪を減少させています。さらに、バイアス安定化の温度補償が不要になるため、増幅素子が常に安定するという利点も持っています。
510ではこのカレントダンピング回路のブリッジ部を改良するなどによって精度と安定度をさらに向上しています。
保護回路を搭載しており、過負荷、長時間の連続使用、ショートサーキットなどの場合でも保護します。また、熱伝導率の高いヒートシンクとトランジスタを設置したサブシャーシを一体化することで優れた放熱効果を得ています。
入出力端子にはキャノンコネクターを採用しています。
また、510ではプラグイントランスの挿入によってプロフェッショナル機ならではのバランス伝送も可能です。
6種類のプラグインカードの差替えによってインピーダンス(2Ω、4.5Ω、8Ω、18Ω、32Ω、72Ω)の切替えが可能です。
これによりアンプに負担をかけずにあらゆる単体スピーカーにベストマッチするだけでなく、複数のスピーカーを駆動する場合にも最良のインピーダンスマッチングが得られます。
パラレル接続に対応しています。
例えば片チャンネル4台使用し、入力を並列、出力を直列に接続すれば、550W(8Ω)のハイパワーが得られます。
強力な電源部や高性能素子を採用しています。
機種の定格
型式 | モノラルパワーアンプ |
出力 | 135W(2Ω~72Ω) |
周波数特性 | 20Hz~20kHz -0.5dB |
歪率 | 0.03%以下(40Hz) 0.01%以下(1kHz) 0.1%以下(20kHz) |
入力感度 | 0.5V(135W出力時) |
入力インピーダンス | 600Ω(入力トランス時) 20kΩ |
SN比 | -115dB |
電源 | AC100、50Hz/60Hz |
外形寸法 | 幅482.6x高さ88x奥行320mm |
重量 | 13kg |