PROCEED PCD
¥480,000(1990年発売)
解説
より優れた音質と高い信頼性を追求したCDプレイヤー。
内部は大きく分けてトランスポート部、電源部、デコーダー部、D/Aコンバーター~アナログ出力部、ディスプレイコントロール部の各部によって構成されています。これらの回路基板は、音質劣化の原因となる各素子・各回路間の相互干渉を排除するため、それぞれ十分な間隔を置き、なおかつ隣接するために90度の角度をもたせて配置しています。
また、これらの基板はプラグイン形式となっているため、回路基板単位の交換によりアップデートのグレードアップが可能です。
PCDの内部構造は、トランスポートメカニズムを中心にして、アルミ引き抜き材を用いた強固なフレーム構造となっています。これはビル建築で用いられる技法と同じ原理に基づくもので、周波数の高い振動に対しても低い振動に対しても共振を生ぜず、制振に有効に働いています。
また、フレーム構造を含めたPCDのキャビネット内部には、静電気の蓄積を防ぐため、導電性の塗装及び防錆処理が施されています。
トランスポート・メカニズムにはフィリップス社のCDM1MKIIを採用しています。
D/Aコンバーターとしてバーブラウン社製の最高級オーディオ用18ビット・モノリシックタイプを搭載しています。さらに、ノイズや歪の発生を最小限に抑えるため、一つ一つのDACについて充分な通電テストを行い、出荷に先立って実装状態での綿密なMSB調整を行っています。
デジタルフィルターには8倍オーバーサンプリングの高精度タイプを採用しています。
量子化ノイズを避けるためのオーバーサンプリングは、あまりに高次のオーバーサンプリングではジッタ歪による分解能の劣化に繋がる危険があります。そこで、PCDでは、当時の技術で音質上の利点を最大限に発揮できるポイントを探り、8倍オーバーサンプリングを選択しています。
D/Aコンバーター回路をはじめとするPCDの各回路は、それぞれ最も望ましいパフォーマンスを実現するため、選びぬかれた素子を用いたハイブリッド方式で構成されています。また、パーツの性能を最大限に発揮するため、PCDでは常時通電方式が採用されています。
メインパワースイッチは本体のバックパネルに設け、通常はフロントパネルのスタンバイパワースイッチを使用することにより、各パーツの安定した動作を確保しています。
電源部にはマークレビンソンのプリアンプ設計におけるノウハウが投入されており、高精度測定器に匹敵する電源回路を搭載しています。また、電源ラインを経由しての回路間の干渉を未然に防止するため、全部で13系統の電源供給を実施し、そのうちの12系統の電源に対してはそれぞれ独立したレギュレーションを行っています。例えば、オーディオ出力回路だけでも、左右チャンネルのプラス・マイナスそれぞれについて電源供給を独立して行うために、合計4系統のレギュレーション回路が設けられています。
アース回路の低インピーダンス化と最適なアースポイントの設定にも独自の工夫を凝らしています。
出力端子は、アナログ出力がアンバランス型とバランス型を各1系統、デジタル出力は同軸型を1系統搭載しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。このリモコンでは、電源のON/OFFおよびディスクトレイのIN/OUTを除く全ての操作を行うことができます。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
周波数特性 | 10Hz~20kHz +0 -0.2dB |
全高調波歪率 | 0.004%(1kHz、0dB) |
SN比 | 105dB |
チャンネルセパレーション | 120dB |
ダイナミックレンジ | 98dB以上 |
出力インピーダンス | 1Ω以下 |
付属機能 | プログラムメモリー TNO/INDEXサーチ スピードサーチ リピート スキップ |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
外形寸法 | 幅214x高さ227x奥行337mm |
重量 | 8.2kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |