Pioneer TX-6300
¥24,800(1975年頃)
解説
コストを抑えながら、高感度、高選択度、安定度を目指したAM/FMステレオチューナー。
フロントエンド部には雑音指数の低いFETと周波数直線型の3連バリコンを組合わせた高周波1段増幅付きの回路を採用しており、感度や妨害排除能力を高めています。
IF部には、合計200素子分以上の要素を1個にまとめたパイオニア独自のICを使用し、選択素子には位相特性の優れたフェイズリニアセラミックフィルターが採用されています。
また、この回路では5段のリミッターにより十分に波形の整形が行われており、AM成分の雑音なども取り除いています。
MPX部にはPLL回路の専用ICが採用されています。
PLLは、MPX内で作り出される復調信号とパイロット信号が、常に同位相となるように二つの信号の位相差を検出し、それによって復調信号を正しくコントロールする働きを持ってます。これにより、MPX部のセパレーション特性の安定度を高めています。
離調時のノイズや局間の雑音をカットするミューティング回路を内蔵しています。
AMチューナー部には専用ICが採用されています。
このICは、入力の強弱があっても常に一定の働きをさせるAGC特性が優れているため、強電界地域でも安定した音質を確保しています。
セレクタースイッチとミューティング回路が組み合わされたレバースイッチを搭載しています。
FM-monoではミューティングoff、FM-autoではミューティングonと組合され、AMは単独で選ばれます。
センターチューニングメーターを搭載しています。
このメーターはAM受信時には入力の強弱を表すシグナルメーターとして動作します。
TX-6300、SA-6300、TX-6700、SA-6700に共通して使用できるウォールナット仕上げのウッドケースが別売りでありました。
機種の定格
型式 | AM/FMステレオチューナー | ||||
<FMチューナー部> | |||||
回路方式 | FET RF1段、3連バリコン、5段リミッター、Quadrature検波、PLL MPX | ||||
実用感度 | mono:4.5μV(S/N50dB)/1.9μV(IHF) stereo:50μV(S/N50dB) |
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S/N | mono:70dB stereo:68dB |
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高調波歪率 |
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キャプチャーレシオ | 1.0dB | ||||
実効選択度 | 60dB | ||||
セパレーション | 35dB以上(1kHz) 30dB以上(50Hz~10kHz) |
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周波数特性 | 50Hz~10kHz +0.2 -0.5dB 20Hz~15kHz +0.2 -2.0dB |
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イメージ妨害比 | 60dB以上 | ||||
IF妨害比 | 90dB以上 | ||||
スプリアス妨害比 | 75dB以上 | ||||
AM抑圧比 | 50dB | ||||
キャリアリーク抑圧比 | 40dB | ||||
ミューティング動作レベル | 2.2μV | ||||
アンテナ | 300Ω平衡型、75Ω不平衡型 | ||||
<AMチューナー部> | |||||
回路方式 | 非同調RF1段2連バリコン | ||||
実用感度 | 300μV/m(バーアンテナ) 15μV(IHF) |
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選択度 | 35dB | ||||
S/N | 50dB | ||||
イメージ妨害比 | 40dB以上 | ||||
IF妨害比 | 50dB以上 | ||||
<総合> | |||||
出力レベル/インピーダンス | 750mV/5kΩ | ||||
使用半導体 | トランジスタ:5個 FET:1個 IC:3個 ダイオード他:6個 |
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電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz | ||||
消費電力 | 12W(定格) | ||||
外形寸法 | 幅350x高さ125x奥行303mm | ||||
重量 | 4.4kg | ||||
別売:ウッドケース JA-C60(¥4,500) | |||||
外形寸法 | 幅404x高さ167x奥行276mm | ||||
重量 | 2.2kg |