オーディオの足跡

PR:Pioneer/Exclusive/TADの製品をヤフオク!で検索
PR:ヤフオク!で中古オーディオを検索

F-700の画像
 解説 

ビートレス・パルスカウント方式を採用したFMステレオチューナー。

検波回路に、FM信号をパルス化しデジタル的に処理するパルスカウント方式を採用しています。この方式は直線検波なため、特に低域や高域において歪率特性が劣化することがありません。
また、このパルスカウント方式のメリットを十分に生かし、さらに高いSN比を得るために10.7MHzのIF周波数を1.26MHzの第2IF周波数に落としてから検波するダブルコンバート方式を採用しています。このダブルコンバート方式で問題となる、ビートが発生しやすいという欠点を改善するため、第2ミキサー段にリニア掛算器、第2ローカルにはプッシュプル発振器を採用しています。
また、検波出力からMPX出力部までをDCサーボ回路を使用したカップリングコンデンサーのない直結方式とし、コンデンサーによる音質への影響を低減しています。

フロントエンド部は7連バリコンとDD MOS FET(2重拡散FET)で構成したプッシュプル構成となっています。
これによりダイナミックレンジが大きくとれるため、実用感度の低下が泣く、しかもRF相互変調特性を始めとする各種の妨害排除能力が大幅に改善されています。
さらに、ミキサーのDD MOS FETを使ったバランスドミキサー化もRF相互変調特性を高めています。

IF部はWideとNarrowの2段切換を採用しています。
Wide IF回路は低歪のSAWフィルターと群遅延特性が平坦で低歪率のセラミックフィルターによって構成され、Narrow IF回路ではさらに狭帯域セラミックフィルター3個とリミッターIC2個が追加され、選択度を向上しています。

MPX部にはダイレクトスルーMPXを採用しており、信号そのものは能動素子を通過せず、必要な信号はそのまま出力され、不要な信号はアースに落とされます。
このため、トランジスタの雑音成分、非直線性、入力レベルの限定などの影響がないため、歪率やSN比を改善しています。

音質を考慮し、磁性体を使用しないコアレス・ローパスフィルターを採用しています。
これにより、磁性体により発生する3次歪を従来のものに比べ約1/10~1/30にまで抑えています。

タッチセンサーサーボロックを搭載しており、チューニングノブを回し、指針が希望する放送局をとらえたところでノブから手を離すと、この同調点で周波数をロックします。

ダイアル指針は3つのLEDが走行するようになっており、放送局の近くで緑のLEDが点灯し、適正同調点で中央のLEDが赤に点灯します。さらにチューニングノブから手を離すとLEDが緑に変わり周波数をロックしたことを示します。

Deviation/Multipashをスイッチで切換えるメーターを搭載しています。

Recレベルチェックやオートブレンド機能を搭載しています。

機種の定格
型式 FMステレオチューナー
S/N比50dB感度 mono:1.8μV/16.2dBf(新IHF)
stereo:20.0μV/37.2dBf(新IHF)
実用感度 mono:0.95μV/10.8dBf(新IHF)
SN比(85dBf入力時) mono:92dB
stereo:87dB
高調波歪率
wide narrow
mono: 0.03%(100Hz)
0.03%(1kHz)
0.03%(10kHz)
0.08%(1kHz)
stereo: 0.04%(100Hz)
0.04%(1kHz)
0.09%(10kHz)
0.2%(1kHz)
キャプチャーレシオ wide:0.8dB
narrow:2.0dB
実効選択度 wide:50dB(400kHz)
narrow:65dB(300kHz)
周波数特性 20Hz~15kHz ±0.5dB
RF相互変調特性 106dB(2.5MHz離調)
91dB(800kHz離調)
イメージ妨害比 120dB
IF妨害比 120dB
スプリアス妨害比 120dB
AM抑圧比 70dB
サブキャリア抑圧比 70dB
ミューティング動作レベル 4.9μV(25dBf)
アンテナ入力インピーダンス 75Ω不平衡型
出力レベル/インピーダンス(100%変調) Fixed:650mV/2.2kΩ
Variable:0mV~1.3V/2.2kΩ
マルチパス出力 Vertical:130mV/10kΩ
Horizontal:400mV/10kΩ
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 25W
外形寸法 幅420x高さ98x奥行393mm
重量 7.5kg