Pioneer F-26
¥135,000(1980年頃)
解説
クォーツロックを採用したFM専用ステレオチューナー。
水晶発振器を内蔵したクォーツロック回路により、ローカル発振周波数を端数のない正確100kHz単位で変化させ、希望電波にぴったり同調させています。
温度や湿度の変化によって発振周波数は変化しないため、同調後のドリフトも排除され、正確な受信が維持されます。
チューニングつまみをタッチセンサーとし、つまみに触れるとクォーツロック回路がOFFされ、ローカル発振周波数をリニアに変化させます。
これにより、選局時はつまみの回転に応じて半同調の状態から次第に同調していく、手の動きに合った自然な操作フィーリングを確保しています。
さらに、同調の状態を従来のメーターにかえた3個のLEDインジケーターの光で見る方式としており、LEDインジケーターの光を見ながら同調をとり、つまみから手を離せばクォーツロック回路が働き、Lockedインジケーターが点灯します。
また、一度電源をOFFしてもふたたび電源をONにすれば、もとの電波をロックする再ロック回路も内蔵しています。
IFワイドバンドの検波回路には、従来の超広帯域直線検波器をさらに発展させた、パラレルバランスド・リニアディテクター(P.B.L.D)を採用しています。位相特性に優れ、検波効率やSN比を6dB向上させています。
MPX部では、19kHzのパイロット信号だけを取り出してPLL回路に送る、クリーンパイロットシステムを内臓しています。
さらに、左右分離後のパイロット信号が再生音に混入しないよう、パイロット信号オートキャンセル回路を内蔵しており、送信レベルの変動(電波法の規定で8~10%変調)にも自動的に追従するパイオニア独自の方式によって、パイロット信号を確実に打ち消しています。
雑音成分のほかに検波器のSカーブで妨害波成分も検出し、電波状態が悪化するとIFバンドをワイドからナローへ自動的に切り換え電波条件に合った受信を行います。
端子類は全て金メッキ処理されたものを使用しています。
機種の定格
型式 | FMステレオチューナー | ||||||
回路方式 | クォーツサンプリングロックト、IFバンドオート切換 P.B.L.ディテクター、パイロット信号オートキャンセラー内蔵PLL MPX |
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S/N50dB感度 | mono:3.5μV(新IHF、16.1dBf) stereo:40μV(新IHF、37.2dBf) |
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実用感度 | mono:1.8μV、新IHF 10.3dBf | ||||||
SN比 | mono:86dB stereo:83dB |
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高調波歪率 |
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キャプチャーレシオ | Narrow:2.0dB | ||||||
実効選択度 | Narrow:75dB(300kHz) | ||||||
ステレオセパレーション |
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イメージ妨害比 | 120dB | ||||||
IF妨害比 | 120dB | ||||||
スプリアス妨害比 | 120dB | ||||||
AM抑圧比 | 65dB | ||||||
サブキャリア比 | 75dB | ||||||
ミューティング動作レベル | 5.5μV(20dBf)~55μV(40dBf)可変 | ||||||
オート・モノ切換レベル | 17μV(30dBf)~170μV(50dBf)可変 | ||||||
アンテナ | 300Ω平衡型 75Ω不平衡型 |
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レベル/出力インピーダンス (100%変調) |
Fixed:650mV/2.2kΩ Variable:50mV~1.3V/3kΩ(Max) |
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Iマルチパス出力 | Vertical:100mV/5kΩ(AM、1kHz、30%変調) Horizontal:500mV/4.1kΩ(FM、1kHz、100%変調) |
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使用半導体 | FET:10個 トランジスタ:66個 IC:16個 ダイオード他:54個 |
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電源電圧 | 100V、50Hz/60Hz | ||||||
消費電力(電気用品取締法) | 14W | ||||||
外形寸法 | 幅420x高さ81x奥行355mm | ||||||
重量 | 7.5kg |