Pioneer F-100
¥34,800(1983年発売)
解説
スリムな本体に技術を凝縮したデジタルシンセサイザーチューナー。
RF相互変調特性を高めるため、フロントエンド部には3連相当のバリキャップを採用しています。しかもツインバリキャップとすることでバリコンに匹敵するダイナミックレンジを獲得しています。
FM検波回路から得られるコンポジット信号をL/Rのオーディオ信号に分離するMPXデコーダーに、独自のダイレクトスルーMPXを採用しています。
これは信号が能動系子を通過せず必要な信号だけを出力する方式で、トランジスタの非直線性に起因する雑音などの影響を受けずにクリアなステレオ信号を得られるようにしています。
水晶振動子で作る基準周波数とローカル発振周波数をロックし局を確実にとらえるクォーツロック方式のメリットを高めるため、基準周波数を12.5kHzから25kHzにアップし、可聴帯域外へおいやることによって基準周波数が信号ラインに残留してノイズとなる問題を解消したパルススワロー方式を採用しています。
これにより動作の安定化とSN比の改善を実現しています。
AM部には新型の大型ループアンテナを搭載し、しかもアンテナの同調コイルにFETバッファーを使用するなどにより高感度を実現しています。
またIF部には2素子のセラミックフィルターを採用し、近接妨害を排除しています。
FM+AMランダム8局プリセットとFM/AM各8局プリセットの切換スイッチを搭載しています。
スイッチのUP/DOWNで自動選局するAUTOサーチと、希望する周波数を自分で選べるMANUALサーチを搭載しています。
エアチェックの際に便利なRECレベルチェックを搭載しています。
機種の定格
型式 | FM/AMデジタルシンセサイザーチューナー |
<FMチューナー部> | |
S/N比50dB感度 | mono:1.8V、新IHF 16.2dBf stereo:19.8μV、新IHF 37.2dBf |
実用感度 | mono:0.95μV、新IHF 10.8dBf |
SN比(85dBf入力時) | mono:86dB stereo:80dB |
高調波歪率 | mono:0.05%(100Hz)、0.05%(1kHz)、0.1%(10kHz) stereo:0.08%(100Hz)、0.08%(1kHz)、0.2%(10kHz) |
キャプチャーレシオ | 1.0dB |
実効選択度 | 56dB(400kHz) |
ステレオセパレーション | 50dB(1kHz) 35dB(50Hz~10kHz) |
周波数特性 | 30Hz~15kHz +0.5 -1.0dB |
イメージ妨害比 | 60dB |
サブキャリア抑圧比 | 55dB |
ミューティング動作レベル | 8.7μV(30dBf) |
アンテナ入力インピーダンス | 300Ω平衡型 75Ω不平衡型 |
<AMチューナー部> | |
実用感度 | 150μV/m(ループアンテナ) |
選択度 | 40dB |
SN比 | 50dB |
<総合> | |
出力レベル/インピーダンス | FM(100%変調):650mV/1.7kΩ REC CAL出力(FM50%変調相当):325mV AM(30%変調):150mV/1.7kΩ |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力(電気用品取締法) | 8W |
外形寸法 | 幅420x高さ60x奥行221mm |
重量 | 2.5kg |