オーディオの足跡

F-007の画像
 解説 

フォトロジック方式やクォーツロックシンセサイザーの搭載により同調精度を高めたFMステレオチューナー。

水晶の精度を応用して100kHzごとの周波数を確実に受信するクォーツシンセサイザー方式を採用しています。
水晶振動子でつくる基準周波数とローカル発振周波数を分周したものを位相比較し、ローカル発振周波数をロックしているため、温度変化や湿度変化によるドリフトの発生がありません。

フォトロジック方式を採用しており、目盛板と一体となっているコードパターンのビットに光を当てて、それをフォトトランジスタで読取り、ローカル発振周波数を指令しています。9個のフォトトランジスタと2個のランプを内蔵したダイアルポインター(指針)の来た位置のビットが、ローカル発振周波数を指令するため、目盛ズレがありません。
さらに、ダイアルチューニングの採用で、RF増幅部にはQ(選択度特性)が高くとれるバリコンを使用できるメリットがあります。5連バリコンを全てRF増幅部の選択同調に使用することで、高い妨害排除能力を得ています。
さらに、ダイアルスケールはコードパターンパネルと一体になっているため目盛誤差が無く、また、ステーションインジケーターが点灯したポイントが適正同調点となるため、従来のようにセンターメーターを併用して指針を微妙にコントロールする必要がありません。

ローカル発振回路では、バリキャップ(可変容量ダイオード)の受持ち帯域を76MHz~83.2MHz、83.3MHz~90MHzに2分し、可変容量範囲を狭くとることで高いSN比を確保しています。

従来の超広帯域直線検波器をさらに発展させたパラレル・バランスド・リニア・ディテクターを搭載しています。
F-007ではこれをIF部のWide、Narrowともに採用しており、全帯域にわたって低歪率を実現しています。

MPX部には、純粋に19kHzのパイロット信号だけを取り出してPLL回路に加える、クリーンパイロットシステムを搭載してます。

19kHzのパイロット信号が再生音に混入すると高域特性を劣化させたり、エアチェック時にデッキのバイアス周波数とびーとを発生させてしまうため、F-007ではパイロット信号オートキャンセル回路を採用してパイロット信号を打消しています。
この回路では、パイオニアが独自に開発した回路方式により、送信レベルの変動にも自動的に追従して確実に打消し、38kHzのキャリア信号を減衰させるためのローパスフィルターは、共振点を23kHzと十分な高域に設定することが可能となっています。
これにより高域の周波数特性を拡大させています。

シグナル強度メーターは、アンテナ入力を新IHFで20dBfから100dBfまで直読できます。

FMエアチェック時のレベル合わせ用にRecレベルチェックを搭載しています。
その他に、ミューティングやMPXノイズフィルター、マルチパス出力端子を搭載しています。

機種の定格
型式 FMステレオチューナー
実用感度 1.8μV/10.3dBf(新IHF)
S/N50dB感度 mono:2.8μV/14.1dBf(新IHF)
stereo:35μV/36dBf(新IHF)
S/N比(80dBf入力時) mono:84dB
stereo:81dB
高調波歪率(1kHz)
mono stereo
wide: 0.04% 0.05%
narrow: 0.08% 0.15%
キャプチャーレシオ wide:0.8dB
narrow:1.5dB
実効選択度 wide:35dB(400kHz)
narrow:70dB(300kHz)
ステレオセパレーション(1kHz) wide:55dB
narrow:50dB
周波数特性 20Hz~15kHz +0.1 -0.3dB
イメージ妨害比 120dB
IF妨害比 120dB
スプリアス妨害比 120dB
AM抑圧比 65dB
サブキャリア抑圧比 75dB
ミューティング動作レベル 5μV/19.2dBf(新IHF)
出力レベル/インピーダンス(100%変調) Fixed:650mV/2.2kΩ
Variable:50mV~1.3V/3kΩ
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力(電気用品取締法) 21W
外形寸法 幅420x高さ155x奥行376mm
重量 9kg