Pioneer S-PM2000
¥185,000(1台、2000年10月発売)
解説
2000年のミレニアムイヤーの記念モデルとして開発されたピュアモルトシリーズのスピーカーシステム。
ピュアモルトシリーズはパイオニアとサントリー、オークヴィレッジの3社のコラボレーションによって誕生したシリーズです。
このシリーズではエンクロージャー素材に樽材を使用しています。この素材は樹齢100年を超えるホワイトオークで、ウィスキーの熟成に約50年間使用されたもので、樽材の証として黒い釘跡や所々にシミが見られるという特徴があります。樽材はアピトン合板をさらに上回る高剛性を持ち、不要な共振の発生を抑えています。
エンクロージャーはオークヴィレッジの職人による手作業で組み上げられています。
制作には日本の伝統工法である追い入れ組接を用いており、ほぞと溝によって組み上げることで高い強度と耐久性を実現しています。
また、バスレフポートは樽材の無垢板を5巻い貼り合わせてた物を使用しており、音道に合わせて削り込んでいます。
さらにミッドレンジとツィーターのバックチャンバーも樽材で組み上げられています。
低域には16cmコーン型ウーファーを2個搭載しています。
振動板にはケブラーコーンを採用しています。この振動板はケブラー繊維を採用すると共に、厚さや繊維の方向、裁断にも配慮されており、繻子織りを採用しています。さらにマット材にアラミド繊維を使用することでスピーカーユニットとして必要な剛性と内部損失という相反する要素を高いレベルでバランスさせています。
中高域には13cm同軸型ユニットを搭載しています。
このユニットでは中域にはウーファーと同様にケブラーコーンを採用し、高域にはHSDOM(Harmonized Synthetic DIaphragm Optimum Method)を採用しています。
HSDOMは、振動板の素材や形状、エッジなどをコンピューターによる有限要素法を用いて解析し、それぞれの機能・性能を最大限に発揮できるよう設計することで、ピストンモーションと分割振動をバランスよく組み合わせて超高域再生を可能にしています。
エンクロージャーにはスラントバッフルを採用しています。
約10度傾斜させたバッフルはソファーなどに座った時のリスニングポジションを想定したデザインとなっており、スピーカーユニット間の位相を合わせ、広がりのある音を再現します。
売上の一部は国土緑化推進機構の緑の募金に寄付されました。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・トールボーイ型・防磁設計(EIAJ) |
使用ユニット | 低域用:16cmコーン型x2 中高域用:13cm同軸型 中域用:13cmコーン型 高域用:3cmドーム型 |
インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 40Hz~50kHz |
出力音圧レベル | 91dB/W/m |
最大入力 | 160W(EIAJ) |
クロスオーバー周波数 | 500Hz、3.5kHz |
ユニット極性 | 低域:+ 中域:- 高域:- |
外形寸法 | 幅240x高さ870x奥行344mm |
重量 | 25kg |
付属 | 樽材ウッドスペーサーx4 |