Pioneer S-99twinX
¥118,000(1台、1990年発売)
解説
バーチカルツインに新しく波面コントロール技術を導入し、より優れた音場の再現性とより明確な音像定位を目指したスピーカーシステム。
バーチカルツイン・スピーカーの良さをさらに生かすために、音の波面がどのようにリスナーの耳に届くか、その実態を科学的に解明し、新しい波面コントロール技術を導入しています。
そのポイントは、「ウーファーとトゥイーターのエネルギータイムレスポンスを時間軸で調整」「ウーファーとトゥイーターの指向性を制御」「ネットワークなどの電気的な位相を合致させる」「バッフル形状により、波面回折を制御する」の4点で、これらコントロールすることで音の波が一様に拡がるきれいな音の波面の伝達を可能にしています。
低域には、パルプにアラミド繊維を混ぜて抄いた新開発のコーンを用いた20cmコーン型ウーファーを2個採用しています。
また、新設計のアルニコ磁気回路は、ショートリングを採用してさらに低歪化を図り、またエッジワイズボイスコイル採用により、いちだんと駆動力を向上させています。
フレームは高剛性のアルミダイキャストで、これにシールドフレームガスケットを採用することにより、不要振動を遮断しています。
高域にはW.F.(ウェイブフロント)ダイレクターを採用した3cmドーム型トゥイーターを採用しています。
立ち上がりのピークが一致するようにトゥイーターの振動板位置をコントロールし、さらにダイレクターのホーン形状によって指向性をコントロールしており、これによってリスナーの聴取位置での音の波面を合体させ、より音場の再現性、音像定位を向上させています。
ダイレクターは特殊弾性体で成形した鳴きの少ないもので、アルミダイキャストフランジに強固に固定しています。
振動板には、カーボン純度99.99%のセラミックグラファイトを採用しており、また磁気回路には、磁束密度が大きく、高品質のアルニコ・マグネットを採用しています。
各ユニットはフルミッドシップマウントを採用しており、ウーファーはエンクロージャー内部に設けたインナーバッフルに固定し、トゥイーターはスペーサーを介して裏面からしっかりと固定しています。
これによりバッフルの不要振動が抑えられ、歪感の少ない自然な再生音を得られています。
ネットワークは、ユニットの分散配置を採用し、各ユニットの相互干渉を防止しています。
上部バッフルは大きくラウンド処理され、波面回折をコントロールしています。
また、サランネット装着時に下部バッフルとフラット化されるように設計されており、装着の状態ですぐれた音質が得られるようチューニングされています。
エンクロージャーの仕上げはレディッシュダークブラウンカラーの花梨調仕上げとなっています。
バイワイヤリング接続が可能な大型ターミナルを採用しています。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・フロア型・防磁設計 |
使用ユニット | 低域用:20cmコーン型x2 高域用:3cmドーム型+W.F.ダイレクター |
インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 29Hz~22000Hz |
出力音圧レベル | 91dB/W/m |
最大入力 | 180W(EIAJ) |
クロスオーバー周波数 | 1800Hz |
外形寸法 | 幅272x高さ1000x奥行380mm |
重量 | 40.0kg |