Pioneer S-99twin
¥108,000(1台、1988年発売)
解説
パイオニアのモニタースピーカー技術で培った技術を継承し、バーチカルツイン方式を採用したトールボーイ型スピーカーシステム。
トゥイーターを中心に上下にウーファーを配した、インライン同軸配置ダブルウーファーシステムである、バーチカルツイン方式を採用しています。
これにより、2つのウーファーの音響エネルギーが中央に集中し、トゥイーターの軸に一致します。このため低音域から高音域まで、すべての音がトゥイーターを中心として再生されるようになります。
この結果優れた指向性、位相特性を実現しています。
低域には、TAD(Technical Audio Devices)で使用されているコーンをベースに、高分子フィルムでラミネートした振動板を採用した20cmのコーン型ウーファーを2個採用しています。
磁気回路にはアルニコマグネットを採用しています。
高域には、カーボン純度99.9%の新素材セラミックカーボン振動板を用いた3cmドーム型トゥイーターを採用しています。
低域同様磁気回路にはアルニコマグネットを採用しています。
各ユニットはミッドシップマウント方式によってマウントされています。
それぞれのユニットは、バッフルにユニットが発する不要振動を伝えないため、エンクロージャー内部に設けたインナーバッフルに固定しています。
さらに、無共振化の思想を追及しており、スピーカーフレームは、シールドが助っ人によって強固に固定されています。
また、エンクロージャーは、高剛性にするとともに、天板の不要振動を抑えるため、フローティングトップを採用し、天板を分割してエンクロージャーからフローティングさせ、さらに制動材を介して、ウーファーの振動による振動レベルを大幅に減少させています。
そして、バッフル板は板厚50mmの高密度パーチクルボードを使用し、大きな弧を描く楕円曲線ラウンドバッフルとすることで音の反射や回折現象を低減しています。
ネットワークは、各ユニットそれぞれに専用の回路を構成することで、互いの干渉を防止し、伝送ロスを低減しています。
さらにチョークコイルや配線コードには、OFC(無酸素銅)ワイヤーを採用し、コンデンサーも音響用のものを厳選して使用しています。
スピーカー端子は、低域用ケーブルと高域用ケーブルを分離して給電するバイワイヤリング接続が可能となっています。
これにより、ウーファーの逆起電力がトゥイーターに影響を与えなくすることで、さらに音質を向上させています。
フローリングやカーペットなどの設置する床によって使い分けられるスパイクやフェルトが付属しています。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・トールボーイ型・防磁設計 |
ユニット | 低域用:20cmコーン型x2 高域用:3cmドーム型 |
インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 30Hz~40000Hz |
出力音圧レベル | 91dB/W/m |
最大入力 | 180W(EIAJ) |
クロスオーバー周波数 | 2000Hz |
外形寸法 | 幅268x高さ960x奥行377mm |
重量 | 35.5kg |