Pioneer S-9500
¥108,000(1台、1985年頃)
解説
デジタルソースへの対応するため低域のfレンジと全帯域にわたるダイナミックレンジの拡大を図ったスピーカーシステム。
低域にはパイオニア独自のEBD方式(Electronic Bass Drive)を用いた32cmコーン型ウーファーを搭載しています。
EBD方式ではウーファーにフルレンジとローレンジの2つのボイスコイルを設け、ローレンジボイスコイルには超低域信号のみを加えることで電気的に低域を拡大しています。
振動板には軽量かつ高剛性・高内部損失を持つカーボングラファイトコーンを採用しており、急峻な入力にも素早い応答を可能にしています。また、サブボビンを付けることでボイスコイルボビンの円筒強度を高め伝達ロスを排除し、支持機構にはDRS(Dynamic
Response Suspension)を採用することで優れたリニアリティを獲得しています。
中域には7.6cmドーム型ミッドレンジを搭載しています。
このユニットはTAD(Technical Audio Devices)の思想を継承しており、振動板に大口径ベリリウムドーム、エッジにタンジェンシャルエッジを採用することで優れた応答性を実現しています。
また、磁気回路にはφ156mmのストロンチウムフェライトマグネット磁気回路を採用しています。
高域にはベリリウムリボン型トゥイーターを搭載しています。
振動する空気とほぼ同質量の極めて軽い振動板と強力な磁気回路に加えてDSRを採用しており、振動が固定端に反射して生ずるモードが発生しないよう機械インピーダンスの異なる3重のサスペンションで支持しています。これによりローレベルでの初動感度の向上をはじめ、本来信号にはない付随音の排除や低歪化を実現しています。
また、新形状ホーンを採用することで指向性を拡大しています。
ネットワーク部には平衡型ネットワークの採用するとともに、ビスやナットに至るまで信号経路から歪発生原因となる磁性体を排除し低歪率を実現しています。さらに、素子のグレードを向上させており、リード線やチョークコイルには無酸素銅線を使用し、コンデンサーには従来のフィルムタイプよりESR(等価直列抵抗)が特に優れたものを使用することで、素子の非直線性や定損失を低減しています。
エンクロージャーには針葉樹パーチクルボードを使用しており、補強棧にはアピトン合板を採用しています。また、モーダル解析を駆使した設計によってより理想に近い構造を実現しています。
外観はマーブルエボニー仕上げが施されています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
ユニット | 低域用:32cmコーン型 中域用:7.6cmドーム型 高域用:リボン型 |
再生周波数帯域 | 30Hz~50kHz |
インピーダンス | 6.3Ω |
出力音圧レベル | 91dB/W |
瞬間最大入力 | 180W |
クロスオーバー周波数 | 500Hz、4kHz |
外形寸法 | 幅390x高さ680x奥行378mm |
重量 | 33.5kg |