Pioneer CS-T88
¥75,000(1台、1977年頃)
解説
3ウェイ構成のスピーカーシステム。
ウーファーにはカーボンファイバー混入コーンを採用した30cmユニットを採用しています。この素材を均一に混入する独自の手法により、ピストンモーション帯域の広い、広帯域、低ひずみのユニットに仕上がっています。
フレームは無共振アルミダイキャスト製で、頑強なだけでなく、振動板背圧の逃げや反射をさける設計になっています。
また、センターキャップでは、ボビン内の内圧を逃がす設計で、高域再生限界を広げています。
磁気回路には156φmmのマグネット、ボイスコイルには28mmの巻き幅をもつロングタイプを採用するなど、密度の高い設計により、歪の少ない、歯切れの良い低域特性を実現しています。
中域には、口径48mm・厚さ40μ・重量0.26gの超硬質ジュラルミン振動板を採用したドーム型ミッドレンジを搭載しています。この振動板は、外側と内側から独特の2重ダンパーで保持されたエッジレス構造となっており、エッジ部の共振や反射音を抑えています。
トゥイーターには硬質チタンのドームユニットを採用しています。
振動板の口径は25mmで、厚さ25μで0.08gと軽量です。また、エッジには高品質の発泡ウレタンを成型したロールエッジを採用。特殊コーティングで適度な内部損失をもち、共振や反射音はきわめて小さく抑えられています。
エンクロージャーは、バッフル板が厚さ30mm厚の多層ラワン合板でその他は厚さ25mmの高密度バーチクルボードで固められ、十分な補強が施されています。
吸音材には表面積の大きいY字型断面をもつアセテート繊維を採用し、定在波を防止しています。
ミッドレンジとトゥイーターは、特殊な緩衝材を介してバッフル板に取り付けるフローティングマウント方式を採用しています。
ネットワークは、チョークコイルにすべて空芯コイルを採用し、コンデンサーにも損失の少ないMF、MPコンデンサーを使用しています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:30cmコーン型 中域用:4.8cmドーム型 高域用:2.5cmドーム型 |
インピーダンス | 8Ω |
再生周波数帯域 | 30Hz~20000Hz |
出力音圧レベル | 90dB/W/m |
最大入力 | 80W |
クロスオーバー周波数 | 800Hz、4500Hz |
外形寸法 | 幅360x高さ630x奥行330mm |
重量 | 29kg |