オーディオの足跡

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T-838の画像
 解説 

先進の解析技術を駆使し無振動・無共振化を図ると共に、パイオニア独自の技術を投入して高音質化を図ったステレオカセットデッキ。

テープのテンション変動、テープ蛇行、走行速度変動を改善するため、NEW Zメカニズムを採用しています。
まず、安定したテープテンションとヘッドタッチを得るために、左右のキャプスタンとピンチローラーを異径とした、共振分散型クローズドループ・デュアルキャプスタン方式を採用しています。
また、テープの自然な流れに逆らわずヘッドを合致させられるよう、チルト/ハイト調整が光学治具によって精密に行われる亜鉛ダイキャスト二重構造によるヘッドブロックを搭載し、ヘッド部の振動を抑えてテープ走行の改善に成功しています。
さらに、サブミクロンオーダーの研磨精度を持ち、テープ走行面にFS処理(0.1μm以下の真円度を損なわずに滑り難くする特殊な加工技術)がされたキャプスタンシャフトと、大きな慣性モーメントを有するバランス管理されたフライホイールを採用し、テープとシャフトの滑りを抑え、速度ムラの少ない安定したテープ走行を可能にしています。

録音・再生ヘッドには、コイル巻線にPC-OCC(単結晶状高純度無酸素銅)を用いたレーザーアモルファスヘッドを採用しています。
また、消去ヘッドにはセンダストガード付ダブルギャップ・フェライトヘッドを採用しています。

カセットハーフの振動を排除するため、NASAが開発したNASTRAN(NASA Structure Analysis Program)による振動解析を行い、その結果をもとに無振動・無共振化設計に磨きをかけています。
ハーフの特定部位で発生する共振を防ぐため、特殊無反発ゴムと剛性の高い部位で効果的にダンピングしたNEWカセットスタビライザーを搭載しています。
また、モーターによる振動を防ぐためM・V・I(Motor Vibration Insulator)機構を搭載しており、モーターとメカシャーシとの間に、内部に気泡を持つ特殊強化樹脂製のモーターブラケットを親切し、さらにモーターブラケットとメカシャーシとの間にも無反発ゴムを使ったインシュレーターを接地し、モーターから発生する振動エネルギーを構造と材質の両面で効果的に吸収しています。
さらに、スピーカーからの音圧による振動をハーフに伝えないため、ドア部とカセットポケット部を物理的に分離したアイソレーテッドドアを搭載しています。

デッキ本体にも無振動・無共振化を徹底しており、銅メッキハニカムシャーシ、大型ハニカムインシュレーター、ハニカムシールドケースなど、振動減衰に優れたハニカム構造を各部に投入し、振動を多方面に拡散させて減衰しています。

高音質録音を目指し、バイアス発振周波数を従来の2倍の210kHzにシフトアップしています。
音楽信号との周波数差を大きく設定することで、高調波とバイアス電流との干渉によるビートや混変調ノイズの発生を抑え、歪の少ないレコーディングを可能にしています。

電源部、制御部、アンプ部、メカ部、FLメーター部をそれぞれ最短距離で接続できるよう、ダイレクトコンストラクション設計が施されています。また、入力端子の間近にボリューム配置し、シャフトでコントロールするなど、配線距離の最短化も図られています。
さらに、ラインストレート機能を搭載しており、バランス調整を必要としないソースの場合は、バランスボリュームをバイパスして最短距離で信号を録音アンプへと導きます。

アンプ、制御、FL表示の各ブロック別に、トランス巻線は独立4巻線による専用電源を構成しています。
特にアンプ系トランス巻線には無酸素銅線によるバイファイラ巻を採用しており、+電源と−電源のバランスが向上し、音質向上に貢献しています。

正確な録音レベルセッティングをマイコンがアシストするピークレベルキャリブレーションを搭載しています。
録音ソースのピークレベルをいったんホールドしておけば、録音ボリュームの増減に応じてホールドされたピークレベルがメーター上を移動し、適正レベルに合わせることが出来ます。

テープの特性を最大限に引き出すために、バイアスレベルとレコーディングレベルのキャリブレーション機能を搭載しています。調整用のオシレーターを内蔵しており素早く正確な調整が可能です。

パイオニア製CDプレイヤーとのCD-DECKシンクロ対応となっており、ワンタッチでシンクロ録音スタートや、オートトラックバック録音など、オート連携動作による編集録音が楽しめます。

メーターレンジ切換機能を搭載しており、通常時の-30dB~+8dBまでのワイドレンジモードと、-3dB~+12dBまで0dB付近を1dBステップで表示するエクスパンドレンジモードの切換が可能です。

FL部からのノイズ発生を抑えるため、FLディスプレイOFF機能を搭載しており、録音レベルセット後や再生時などFL表示が無い時には、ディスプレイを消灯することが可能です。

通常のテープカウンター、録音・再生の経過時間を表示するタイムカウンター、テープの残り時間を表示するリメインカウンターの3モードテープカウンターを搭載しています。

テープをワンタッチでカウンターの0000に戻したり、巻き戻し後自動的に再生を始めるワンタッチテープリターン&リターンプレイ機能を搭載しています。

ワンタッチで4秒間の無音部が作れるオートRECミュートを搭載しています。

ワイヤレスリモコンが付属しています。

機種の定格
型式 リファレンス3ヘッドデッキ
トラック方式 4トラック・2チャンネルステレオ
ヘッド コンビネーション型
(レーザーアモルファス録音ヘッド/レーザーアモルファス再生ヘッド)
センダストガード付ダブルギャップフェライト消去ヘッド
モーター キャプスタン用:DCサーボモーター
リール用:DCモーター
アシスト用:DCモーター
ワウ・フラッター ±0.04%W・peak(EIAJ)
0.024%WRMS(JIS)
早巻き時間(C-60) 約80秒
周波数特性(EIAJ) メタルテープ:15Hz~21kHz ±3dB(-20dB録音)
クロームテープ:15Hz~20kHz ±3dB(-20dB録音)
ノーマルテープ:15Hz~20kHz ±3dB(-20dB録音)
SN比 57dB(EIAJ/ピーク録音レベル、聴感補正)
Dolby off:61dB以上(第3次高調波歪率3%、聴感補正)
Dolby B on:10dB改善(5kHz)
Dolby C on:19dB改善(5kHz)
歪率(EIAJ/1kHz) 0.6%(メタルテープ、第3次高調波歪率)
入力感度/インピーダンス Line:60mV/47kΩ
出力レベル/インピーダンス Line:316mV/2.4kΩ
Headphone:1.6mW/8Ω(ボリューム最大時)
付属機構 CD-DECKシンクロ機能
ハイバイアス
ピークレベルキャリブレーション
バイアス/レコレベルキャリブレーション
MPXフィルター
バイアス&レベルアジャスト
オートモニター
ピークホールド付FLレベルメーター
メーターレンジ切換
ボリューム付ヘッドホン端子
ワンタッチテープリターン/リターンプレイ
オートスペースRECミュート
オートテープセレクター
ミュージックサーチ
4桁電子カウンター
パワーイジェクト
タイマー録音/再生
カセットイルミネーション
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 20W
外形寸法 幅459x高さ136x奥行370mm
重量 9.1kg
付属 リモコン CU-T010