Pioneer QT-74
¥109,800(1972年頃)
解説
4チャンネルの録音/再生のほか、2チャンネルのオートリバース録音/再生が可能なオープンリールデッキ。
4つのチャンネルが完全に独立したディスクリート4チャンネルの録音/再生が可能です。
テープ走行メカニズムは、キャプスタンを中心にして、左右にヘッドを配したセンターキャプスタン機構を採用しています。右方向、左方向とも同じ条件で働くため、安定したテープ走行を実現しています。
また、ピンチローラーには自動調芯装置がついており、テープへの圧着力が均等でテープの片ノビなどのトラブルを回避しています。
スタンダードテープ、LHテープそれぞれの特性に合わせてデッキの特性を切り換えられるテープセレクターを搭載しています。
各チャンネル独立した録音/再生レベル調整を搭載しており、完璧なバランス調整が可能となっています。
また、録音時には各チャンネルのレベルを同時に調節できる録音マスターボリュームにより全体のレベルを集中コントロール出来ます。
2チャンネルデッキとして使用する際には、録音/再生ともオートリバースが可能で、プッシュボタンのワンタッチで、右行から左行へ、左行から右行へ自由に出来ます。
強力なモーターとオートクラッチの採用により、逆転に要する時間は0.5秒となっています。
また、テープエンドにセンシングテープを貼っておけば、自動的に逆転し、テープの両端に貼れば、何度でも演奏をくりかえすオートリピートも可能です。
オートリバースは解除することが出来ます。
4ch時はリバースボタンを押しても逆転はしません。
大型ヒステリシスシンクロナスモーターの回転をベルトを介してキャプスタン、リール台に伝えるオールベルトドライブ方式を採用しています。
回転機械音や、ワウ・フラッターの大きな要因となるアイドラーを一切使わないシンプルなメカニズムとなっています。
ピンチローラーは起き上り式で、Stop時には本体内に沈み、Play時に起き上るメカニズムとなっています。
テープをかける時にヘッドの前面に何もないので、テープのローディングが簡単になっています。
ヘッドカバーはワンタッチで開け閉めできる開閉式を採用しています。
録音、再生の状態を維持したままテープの走行を止めるポーズレバーを搭載しています。
写真で付いているメタルリール(PR-80)は別売りでした。
機種の定格
型式 | 4ch/2chステレオテープデッキ | ||||
動作方式 | 1モーターオールベルトドライブ(キャプスタン、リール台とも) センターキャプスタン機構 自動および手動逆転方式(録音、再生時とも) |
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ヘッド |
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モーター | ヒステリシスシンクロナスモーター | ||||
テープ速度 | 19cm/s、9.5cm/s | ||||
早巻き速度 | 約110秒(370mテープにて) | ||||
回転ムラ | 0.10%RMS(19cm/s) 0.08%WRMS(19cm/s) |
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S/N | LHテープ:56dB 一般テープ:53dB |
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歪率 | LHテープ:1.0% 一般テープ:1.2% |
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周波数特性(19cm/s) | 30Hz~20000Hz 50Hz~15000Hz±2dB |
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入力 | マイク入力:0.3mV~240mV/50kΩ ライン入力:30mV~24V/330kΩ |
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出力 | ライン出力:0.775V(レベルメーター0点にて) 録再ジャック:西ドイツDIN規格(2チャンネルステレオ用) ヘッドホンジャック:出力負荷8Ω、4チャンネルFront、Rear独立タイプ |
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使用半導体 | トランジスタ:28 ダイオード:7 |
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付属機構 | テープセレクタースイッチ(LH、一般テープ) 4チャンネルステレオ録音用マスターレベルコントロール 2チャンネルステレオオートリバースON/OFFスイッチ Pause(一時停止)レバー 再生レベルコントロール 四桁テープカウンター 開閉ヒンジ式ヘッドカバー |
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電源 | AC100V、50Hz/60Hz | ||||
消費電力 | 74W | ||||
外形寸法 | 幅434x高さ478x奥行212mm | ||||
重量 | 17kg | ||||
別売 | メタルリール PR-80(¥1,200) |