Pioneer PL-707
¥59,800(1983年発売)
解説
PL-70LIIをはじめとするマニュアルプレイヤーづくりで培った技術やノウハウを注ぎ込んだフルオートプレイヤー。
ターンテーブルの駆動モーターにはSH・ローター方式を組み合わせたコアレスモーターを採用しています。
軸受構造そのものの回転精度を高めたSH・ローター方式とクォーツPLLを組み合わせる事で回転ムラを低減しています。SH・ローター方式ではローターの支点をターンテーブルのすぐ下に移動させる事でターンテーブルの重心と支点をほぼ一致させる事に成功しており、シャフトの逆円錐運動や潤滑油によって起こる回転滑りを追放しています。
トーンアーム部には新開発のDRA(Dynamic Resonance Absorber)を装備しており、アーム自身の共振を追放しています。
このDRAは適度なバネ性を持つダンパーとウエイトで構成された副共振体を装着したもので、アームの共振に対して正反対の振動を与える事で共振の吸収を行っています。これにより針先では音溝以外の余分な成分を拾い上げることが無くなり、よりクリアな再生音を実現しています。
アーム自体にはカーボングラファイトによるストレートアームを採用し、さらにカーボンファイバーヘッドシェルおよびカートリッジをはじめ、ウエイトをアーム軸に近づけた質量集中方式によってピックアップ系全体のローマス化・高剛性化・無共振化を図っています。
トーンアームの動作はマイクロコンピューター制御による専用モーターで駆動しています。
また、フォノモーターの回転数切換や回転停止などもマイコンで制御しており、誤動作を防いでいます。これによりアームをクランプに固定したままスタートボタンを押した場合もフェールセーフ機構が働いて全ての動作を解除します。
カートリッジには高出力タイプのMC型カートリッジを採用しており、アンプのPhono MMポジションに接続が可能です。
針先には0.3x0.7milの楕円型ダイヤモンド針を採用しており、シンプルな構造とする事で針交換を可能にしています。
キャビネットには内部損失の大きなソリッドボードを組み合わせた高密度キャビネットを採用しています。
また、脚部にはパイオニア独自の低重心インシュレーターを採用しており、音質に悪影響を与える振動を効果的に抑制しています。
機種の定格
| 型式 | レコードプレイヤー |
| <フォノモーター部> | |
| モーター | コアレスクォーツPLL DCサーボホールモーター |
| 軸受け方式 | SH・ローター方式 |
| 駆動方式 | ダイレクトドライブ |
| ターンテーブル | 31cm |
| 回転数 | 33・1/3、45rpm |
| 回転ムラ | 0.012%以下(WRMS、FG直読法) 0.025%以下(WRMS、JIS) |
| S/N比 | 80dB以上(DIN-B) |
| 起動特性 | 1/3回転以内 |
| 速度検出方式 | 全周積分方式FG |
| 回転数偏差 | 0.002%以内 |
| ドリフト | 時間ドリフト:0.00008%/h以下 温度ドリフト:0.00003%/℃以下 |
| ブレーキ機構 | 純電子式 |
| <トーンアーム部> | |
| 型式 | スタティックバランスストレートアーム |
| 有効長 | 235mm |
| オーバーハング | 15mm |
| トラッキングエラー | +2.3゜、-1.3゜ |
| 針圧調整 | ウエイト1回転3g |
| 適合カートリッジ自重 | 3g~8g(ヘッドシェル含まず) |
| 高さ調整範囲 | ±3mm |
| <カートリッジ部> | |
| 型式 | MC型 |
| 針先 | 0.3x0.7mil楕円ダイヤモンド針 |
| 出力電圧 | 2.2mV(1kHz、5cm/sec LAT.Peak) |
| 適正針圧 | 2g±0.3g |
| 周波数特性 | 10Hz~35kHz |
| 交換針 | PN-6MC |
| <その他> | |
| 付属機構 | オートリードイン オートカット オートリターン オートリピート クイックプレイ/クイックストップ |
| 電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
| 消費電力 | 7W |
| 外形寸法 | 幅460x高さ164x奥行409mm |
| 重量 | 8.0kg |
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