Pioneer PL-66F
¥69,800(1982年発売)
解説
飛越選曲も可能なフロントローディングタイプのフルオートプレイヤー。
一発飛越し選曲機能を装備したフルオート機構を搭載しており、例えば2曲目から5曲目というように、聴いている曲をキャンセルして次に聴きたい曲に飛越し選曲できます。
この機能はレコード盤の曲間を検出する光学式デュアルアイセンサーとマイクロコンピューターによって実現しています。デュアルアイセンサーはセンサーを2つ採用したパイオニア独自の新機構となっています。これに加えてコンピューター制御のアーム駆動用水平DDモーターとの連携によって曲間のセンターにサーボをかけながら正確に針を落とす事が可能です。
フロントローディング方式を採用しています。
この方式ではボタンを押すとターンテーブルやトーンアームを搭載したスライダーが前方に滑り出てきてレコードがセットできます。従来のレコードプレイヤーのようにカバーを開けるスペースが必要が無く、しかもキャビネットは40kgの積載に耐える強固な設計となっているため、アンプやチューナーを積み重ねる事ができ、より自由なレイアウトが可能です。
スライダーのスライドイン/アウトをはじめとする全ての操作はフロントパネルに設けられたコントロールキーで行います。
スライダーにはコアキシャルサスペンション方式を採用しています。
これにより外部からの振動に強く、優れた安定性と解像力の高い低音再生を実現しています。
ターンテーブル駆動部にはSH・ローター構造を採用しています。
この方式はローターの支点をターンテーブルのすぐ下に移動させたパイオニア独自の構造です。これによりターンテーブルの重心と支点の位置をほぼ一致させており、シャフトの逆円錐運動や、潤滑油によって起こる回転滑りを根本的に追放しています。
駆動モーターには回転精度の高いコアレス&スロットレスDCモーターを採用しています。駆動コイルを空芯にする事でコアを使用しない新構造によって再生音を濁らせるコギングを原理的に追放しています。さらに、パイオニアが新たに開発したハイゲインサーボ回路を採用しており、クォーツPLLによって優れた回転精度を確保しています。
カートリッジにはパイオニアが独自に開発した高出力MCカートリッジを採用しています。
このカートリッジは6極4マグネットの新構造によって磁束密度を増大させたもので、効率の良い発電を可能にしています。これにより2.5mVの高出力を実現しており、イコライザーのMMポジションでも再生が可能となっています。
さらに左右独立発電とすることで優れたチャンネルセパレーション特性と低歪率化を実現しています。
このカートリッジは全体の構造がシンプルな設計となっており、従来のMCカートリッジではできなかった針交換が可能です。
レコード片面のリピート再生機能を搭載しています。
マニュアル演奏機能を搭載しており、曲の途中からも再生が可能です。
別売りのデッキシンクロコードを用いる事でパイオニアのカセットデッキ(CT-980、CT-880、CT-780、CT-580など)とのシンクロ動作が可能です。
機種の定格
型式 | レコードプレイヤー |
<ターンテーブル部> | |
モーター | コアレスQuartzPLL DCサーボホールモーター |
軸受方式 | SH・ローター方式 |
駆動方式 | ダイレクトドライブ |
ターンテーブル | 28cm |
回転数 | 33・1/3、45rpm |
回転ムラ | 0.012%以下(WRMS/FG直読法) 0.025%以下(WRMS/JIS) |
S/N | 78dB以上(DIN-B) |
起動特性 | 2/3回転以内 |
回転数偏差 | 0.002%以内 |
ドリフト | 時間ドリフト:0.00008%/h以下 温度ドリフト:0.00003%/℃以下 |
<トーンアーム部> | |
トーンアーム | 水平DDスタティックバランスストレートアーム |
実効長 | 208mm |
オーバーハング | 20.2mm |
<カートリッジ部> | |
カートリッジ | MC型 |
針先 | 0.5mil丸形ダイヤ針 |
交換針 | PN-31MC |
出力電圧 | 2.5mV(1kHz、50mm/sec水平) |
適正針圧 | 2g±0.3g |
周波数特性 | 10Hz~32kHz |
<総合> | |
付属機構 | 一発選曲 飛越し選曲 オートリードイン オートリターン オートカット マニュアルロケーション オートリピート |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 11W |
外形寸法 | 幅420x高さ98x奥行335mm |
重量 | 10.3kg |