解説　

最新技術を駆使する事で振動の影響お徹底排除を図ったレコードプレイヤー。

トーンアーム部にはDRAを装着したストレートアームを採用しています。
DRA(Dynamic Resonance Absorber)は、共振の実態をコンピューターを用いたFFTアナライザを用いて解析して開発されたもので、適度なバネ特性を持つダンパーとウエイトで構成された副共振体です。これはアームの共振に対して正反対の振動を与える事で元の共振を吸収する働きを持っており、振動の中和作用によって針先が余分な成分を拾ってしまうのを防いでいます。
アームパイプには超ジュラルミンストレートパイプを採用しており、ストレートパイプの形状とする事で、重量の面で有利かつ高強度を得ています。また、ウエイト部にはワンポイント支持方式の防振構造ウエイトを採用しており、バランスウエイトを支持するウエイト軸とパイプホルダーの接点部分での共振を解消しています。

オートリフトアップ機構を装備しており、演奏終了時に自動的にアームが上昇してターンテーブルの回転動作が停止します。

ターンテーブル駆動部にはSHローター方式とコアレスモーターを採用しています。
コアレス構造にする事で回転ムラの原因となるコギングの発生を原理的に防いでいます。しかも新着磁方式を採用する事でトルクリップルを極小に抑え、より滑らかな回転性能を実現しています。
SH・ローター(Stable Hanging Rotor)方式は、モーター底部にあったローターの支点(ベアリング)をターンテーブルのすぐ下に移動させた構造となっています。これにより従来構造でモーターシャフトと軸受の間のクリアランスで起こっていたモーターシャフトの逆円錐運動を根本から解消しています。

ターンテーブルには直径33cm、慣性質量325kg-cm²(ターンテーブルシート含む)の大型ターンテーブルを搭載しており、クォーツPLL DCサーボホールモーターを組み合わせる事で針圧200gでも回転数変動を起こさない優れた安定性を実現しています。

脚部には全方向ダブルインシュレーションシステムを採用しています。
従来の方式では床とアンダーボードがインシュレーションを介してフローティング構造となっていました。全方向ダブルインシュレーションシステムでは、床とアンダーボード、アンダーボードとキャビネットのそれぞれにインシュレーションを装着したダブルフローティング構造を採用しています。さらに低重心構造でラテラルダンパーを装着しているため、床などから伝わる縦方向の振動だけでなく、スピーカーからの音圧による横方向の振動や、ハイトルクモーターの反エネルギー作用による回転方向の振動も効果的に抑制し、耐ハウリング特性にも優れています。

キャビネットには高密パーティクルボードを採用しており、外観は黒色木目調仕上げが施されています。


別売りオプションとしてアルミナセラミックスを採用したアームパイプがありました。
このアームは軽量・高剛性という優れた性質を持つアルミナセラミックスを採用すると共にDRAを装着した構成となっており、アームパイプの共振モードを打ち消しています。

機種の定格

型式	レコードプレイヤー
<ターンテーブル部>
モーター	コアレスクォーツPLL DCサーボホールモーター
駆動方式	ダイレクトドライブ
軸受構造	SH・ローター方式
ターンテーブル直径	33cm
ターンテーブル慣性質量	325kg-cm2(シート含む)
回転数	33-1/3、45rpm
回転数切換	タクトスイッチ
回転ムラ	0.008%以下(WRMS、FG直読法) 0.023%以下(WRMS/JIS)
S/N比	82dB以上(DIN-B)
負荷変動	0%(針圧200g以内)
起動特性	1回転以内
停動トルク	1.2kg-cm
速度検出方式	全周積分方式FG
回転数偏差	0.002%以内
時間ドリフト	0.00008%/h
温度ドリフト	0.00003%/℃
ブレーキ機構	純電子式
<トーンアーム部>
型式	スタティックバランス型パイプ交換方式ストレートアーム
有効長	250mm
オーバーハング	12mm
トラッキングエラー	+2.697゜、-1.376゜
針圧調整	ウエイト1回転3g
適合カートリッジ自重	2.4～12.0g
高さ調整範囲	+6 -4mm
<総合>
使用半導体等	水晶x1 ICx6 ホール素子x2 LEDx6 トランジスタx9 ダイオードx10
付属機構	クォーツロックインジケーター クイックストップ オートリフトアップ(電子式)
電源電圧	AC100V、50Hz/60Hz
消費電力	12W
外形寸法	幅490x高さ197x奥行406mm
重量	12kg
別売	アームパイプ JP-520(￥15,000)