Pioneer PL-370
¥54,800(1979年頃)
解説
クォーツPLL DCサーボモーターを採用した前面操作型プレイヤー。
駆動モーターにはハイトルククォーツPLL DCサーボホールモーターを採用しています。
モーターには重量1.8kg・慣性質量330kg-cm2のターンテーブルを1/3回転以内で定速ドライブさせるハイトルク・ブラシレスDCサーボホールモーターを採用しています。このモーターは起動特性は1.3kg・cmのハイトルク設定となっています。
また、サーボ機構には水晶発振子の基準信号を応用してモーターの回転を位相差制御する応答性の早いクォーツPLLを採用しており、200g以内の負荷に対しても回転数変動を起さない信頼度の高い方式となっています。さらに、モーター自身の速度検出機構には全周積分方式を採用しており、精密加工を施した回転パーツや独自のホール素子などと相まって、優れた性能を実現しています。
キャビネットにはコアキシャルサスペンションを採用しています。
この方式ではモーター・トーンアームをアンダーボードに固定し、そのアンダーボードをアルミダイキャストキャビネットからスプリングサスペンションした構造を採用しています。これによりハイパワー再生時でもスピーカーからの音圧や振動などの影響を受けません。
リターン機構には電子オートリターン機構を採用しています。
この方式はリターン位置検出にLEDとフォトトランジスタを応用した光学式となっており、リターン位置を無接触で検出するためアームの感度を損なわず、誤動作の心配がありません。
アームのリターン動作は専用のDCモーターで駆動しており、モーターに余分な負荷をかけずに正確なリターン動作を実現しています。
トーンアーム部にはジンバルサポート方式のトーンアームを採用しています。
このアームには、軸受けのピボットをピボットホルダーに収納しスプリングでサポートするスタビリティサポート方式を採用しており、初動感度7mgを実現しています。アームの慣性モーメントを軽減した質量集中方式とあいまって、トラッカビリティを大きく向上しています。
電子式のクイックプレイ、クイックストップ機構を採用しており、アームをレコード盤上へ移動するとターンテーブルが回転を始めます。また、クイックストップ連動の電子ブレーキによりレコード交換も素早く行えます。
MM型カートリッジを装備しています。
機種の定格
型式 | レコードプレイヤー |
<フォノモーター部> | |
モーター | クォーツPLLブラシレスホールモーター |
駆動方式 | ダイレクトドライブ |
ターンテーブル | 33cmアルミダイキャスト |
慣性質量 | 330kg-cm2 |
回転数 | 33・1/3、45rpm |
回転ムラ | 0.025%以下(WRMS) |
S/N | 78dB以上(DIN-B) 65dB以上(JIS) |
負荷変動 | 0%(針圧200g以内) |
起動特性 | 1/3回転以内 |
起動トルク | 1.3kg・cm |
回転数偏差 | 0.002%以下 |
ドリフト | 時間ドリフト:0.00008%/h 温度ドリフト:0.00003%/℃ |
<トーンアーム部> | |
型式 | スタティックバランスS字型パイプアーム |
実効長 | 237mm |
オーバーハング | 15mm |
適合カートリッジ自重 | 4g~9g |
高さ調整範囲 | ±3mm |
ヘッドシェル | アルミインパクトプレス |
<カートリッジ部> | |
型式 | MM型 |
針先 | 0.5milダイヤモンド針 |
交換針 | PN-200 |
出力電圧 | 2.5mV(1kHz、50mm/sec.水平) |
負荷抵抗 | 30kΩ~100kΩ |
適正負荷抵抗・負荷容量 | 50kΩ・170pF~300pF |
適正針圧 | 2.0g±0.3g |
周波数特性 | 10Hz~32kHz |
<その他> | |
オート機能 | 専用DCモーター使用オートリターン (マニュアル、クイックプレイ可能) |
付属機構 | クイックプレイ クイックストップ オートリターン オートカット アームエレベーション(専用DCモーター使用) 針圧直読ウェイト アーム高さ調整機構 アンチスケーティング フリーストップヒンジ |
使用半導体等 | 水晶x1 ICx6 cdsx1 ホール素子x3 LEDx4 トランジスタx17 フォトトランジスタx1 ダイオードx4 |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 10W |
外形寸法 | 幅456x高さ140x奥行377mm |
重量 | 11.0kg |