Pioneer PL-1200
¥44,500(1972年頃)
¥48,500(1973年頃)
解説
ダイレクトドライブフォノモーターとS字型トーンアームを採用したステレオレコードプレイヤー。
モーターにブラシレスDCサーボモーターを用いたダイレクトドライブ方式を採用しています。
ベルトやアイドラを介さず直接ターンテーブルを駆動することで、伝達系に起因する回転ムラやモーターの高速回転によるモーター振動を追放しています。
また、トランジスタとダイオードで構成された電子回路により回転数を自動制御し、周辺温度や電源電圧の変動に影響されない正確な回転を実現しています。
33・1/3、45rpmの速度切換えには、電子回路の定数切換だけで行える純電子式を採用しています。
また、ストロボスコープを監視しながら、33・1/3、45rpmのそれぞれで独立して±2%の範囲内で微調整が可能です。
トーンアームにはS字型トーンアームを採用しており、アーム軸受部はピボット形状、材質の吟味により感度を向上させています。さらに、インサイドフォースのキャンセルには、スプリングとカムを組み合せたパイオニア独自のアンチスケーティング機構を用い、針圧目盛の数値がそのままアンチスケーティングバイアス値を示しています。
また、ヘッドシェルも穴開きの軽量型を採用しており、実効質量の低減を図ると共にトーンアームの重量バランスを考慮してトレース能力を向上させています。
カートリッジには、振動系の実効質量を軽減させ、高域でのセパレーションを改善したMM型カートリッジのPC-330を採用しています。
出力コードには低容量コードを採用しており、超高域でのロスを低減しています。
電源を内蔵の定電圧回路により直流に交換してモーターを駆動しているため、50Hz/60Hzの電源周波数によりプーリーを取り換える必要がありません。
キャビネットには、メタルベースとローズウッド仕上げの木材を組み合せた、2重構造のキャビネットを採用しています。
また、高さ調整の可能なインシュレーターによりガタツキを抑え外部振動を低減しています。
機種の定格
| 型式 | レコードプレイヤー |
| <ターンテーブル部> | |
| モーター | ブラシレスDCサーボホールモーター |
| 駆動方式 | ダイレクトドライブ |
| ターンテーブル | 31cm径アルミ合金ダイキャスト製(1.4kg) |
| 回転数 | 33・1/3、45rpm(微調整可能) |
| 回転数調整範囲 | ±2%以内、各回転数独立調整 |
| 回転数切換 | 電子式 |
| 回転ムラ | 0.06%以下(WRMS) |
| S/N | 55dB以上 |
| <トーンアーム部> | |
| トーンアーム | スタティックバランス方式S字型パイプアーム (プラグイン式ヘッドシェル) |
| 実効長 | 221mm |
| オーバーハング | 15.5mm |
| 取付カートリッジ範囲 | 4g~14g(自重) |
| <カートリッジ部> | |
| カートリッジ | MM型(PC-330) |
| 針先 | 0.5milダイヤ針(PN-330) |
| 出力電圧 | 3mV(1kHz、50mm/s) |
| 周波数特性 | 10Hz~28kHz |
| 適正針圧 | 1.4g~2.0g |
| <その他> | |
| 付属機構 | アームエレベーション機構 アンチスケーティング機構 ラテラルバランサー 大型インシュレーター(水平調整型) |
| 使用半導体 | トランジスタ:12個 ダイオード:19個 |
| 電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
| 消費電力 | 5.2W(最大) |
| 外形寸法 | 幅480x高さ185x奥行410mm |
| 重量 | 10.5kg |