Pioneer PD-717
¥62,000(1988年発売)
解説
あくまでも基本を重視し、不要振動の徹底抑圧化と、不要雑音の徹底排除化をテーマに開発されたCDプレイヤー。
デジタルフィルターには、自社開発の18bit8倍オーバーサンプリングデジタルフィルターを採用しています。
これはデジタル演算によって、サンプリング周波数44.1kHzを352.8kHzに、量子化ビット数16bitを18bitに向上させてもので、よりクリーンできめ細かな原音の忠実再生波形を実現しています。
またIC内部配線、内部配置を見直した新開発ハイグレードOPアンプによる、バタワース型LPFを採用しています。
ピックアップ駆動には、静かで素早いアクセスを可能にしたリニアモーターを搭載しています。
さらに光学系メカニズムを不要振動から守るために、サーボメカの重心をメカサポート部より下げた低重心サイレントリニアモーターサーボメカを採用し、また強度と振動減衰特性に優れたFRPメカベースを組み合わせ、横揺れや外部振動を抑えたサイレントメカニズムを実現しています。
ピット信号をレーザー光で読取り、RF信号に変換する際に生じる位相差を低減するため、アキュフォーカスシステムを採用しており、位相差をゼロに近づけ、エラー率を大幅に改善しています。
電源トランスには出力インピーダンスや出力電圧の平衡度の高いバイファイラ巻を採用しています。
さらにデジタル、サーボ系とオーディオ系、FL表示系、D/Aコンバーターなどに、4独立巻線、4独立電源回路、7レギュレーターを採用し、各パートの相互干渉を低減しています。
アナログ部終段にAクラス動作のFETバッファアンプを採用しており、電源の負荷変動や次段の負荷に影響されにくい構成となっています。
操作キーをonしない時は、マイコンの動作を停止させ、不要ノイズの発生を抑える新開発のクリーンマイコンを搭載しています。
マグネットの吸引力でディスクを固定するマグネットクランプ方式を採用しています。
ディスクスタビライザーと、これを支えるクランパーアームは非接触でディスクを回転させることができるため、不要振動を低減するサイレントメカニズムを実現しています。
剛性の高いハニカム形状のシャーシや振動減衰特性に優れた大型インシュレーターを採用しています。
オートプログラムエディットやタイムフェードエディット、ミュージックウインドウ、ワンタッチフェード、0~9秒にフェード時間を変えられるバリアブルフェードタイム、曲間に自動的に3秒のスペースを入れるオートスペースなどの機能を搭載しています。
タイマースタートが可能な電源onスタンバイ機能を搭載しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
ピックアップ | 3ビーム半導体レーザー方式 |
D/A変換 | 16bit直線・デジタル演算18bit |
周波数特性(EIAJ) | 4Hz~20kHz ±0.5dB |
SN比(EIAJ) | 106dB以上 |
ダイナミックレンジ(EIAJ) | 96dB以上 |
チャンネルセパレーション(EIAJ) | 100dB以上 |
ワウ・フラッター(EIAJ) | 測定限界(±0.001%W.PEAK)以下 |
全高調波歪率(EIAJ) | 0.003%以下 |
出力電圧(EIAJ) | 2.2V ±0.3V |
チャンネル数 | 2チャンネル(ステレオ) |
デジタル出力 | 同軸出力:0.5Vp-p/75Ω 光出力:-15dBm~-20dBm(波長660nm) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 10W |
外形寸法 | 幅420x高さ123x奥行315mm |
重量 | 6.0kg |
付属 | リモコン |