Pioneer CT-920
¥104,800(1979年発売)
解説
ヘッド部、テープ走行系、アンプ部をトータルに設計することで高品位な録音・再生を実現したステレオカセットデッキ。
ヘッド部は録音/再生コンビネーションヘッドを用いた3ヘッドシステムを採用しており、両チャンネルのインライン特性や位相特性を安定させるとともに、アジマスずれに起因する周波数特性の劣化を防止しています。さらにヘッド素材には高域特性、耐入力特性、耐摩耗性に優れた特殊フェライトを採用しており、ハイレベル録音時にもワイドな周波数特性と高いSN比を実現しています。
また、消去ヘッドもメタルテープに対応するため、飽和磁束密度が高く耐摩耗性にも優れた新開発の特殊合金を採用しています。しかも特殊合金によるコアを0.1mmの薄板に加工し積層化することによって渦電流損失による温度上昇も少なく抑え、76dB以上(1kHz)という高い消去性能を得ています。
メカニズム部にはクローズドループデュアルキャプスタン方式を採用しており、テープテンションが常に一定に保つことで良好なヘッドタッチを確保し、ドロップアウトやレベル変動、テープ振動による変調雑音の発生を低減しています。
また駆動部には、定速用にジェネレーター内蔵の電子制御DCモーター、リールドライブ用にDCハイトルクモーターを採用した2モーター方式を採用しています。さらに慣性モーメントの大きなフライホイール効果も加わり、優れた特性を実現しています。
自動テープたるみ除去機構(ATLC)を装備しています。
アンプ部にはリニアリティに優れた録音アンプを導入しており、高域のダイナミックレンジの広いメタルテープへの対応を図っています。
マイクロプロセッサーによる2色FLメーターを採用しています。このメーターはアベレージ、ピーク、ピークホールドの3段切換式となっています。
エンドリピートやメモリーストップ/プレイ、カウンターリピートなどの機能や留守録音機構、バイアス調整機構、ドルビーシステムを装備しています。
機種の定格
型式 | カセットデッキ | ||
ヘッド | 録音:フェライトヘッド 再生:フェライトヘッド 消去:特殊合金ヘッド |
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モーター | 定速ドライブ用:電子制御DCモーター(ジェネレーター内蔵) リールドライブ用:DCハイトルクモーター |
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早巻き速度 | 85秒以下(C-60にて) | ||
回転ムラ | 0.04%以下(WRMS) | ||
周波数特性 |
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SN比 | ドルビーOFF:59dB以上 ドルビーON:69dB以上(5kHz以上) (第3次高調波歪率3%、聴感補正) |
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歪率 | 1.2%以下(0dB) | ||
操作部 | ソレノイド駆動、フェザータッチ式ダイレクトチェンジ | ||
入力感度/最大許容入力 /インピーダンス |
Mic:0.3mV/100mV/30kΩ、6mmφジャック (適合マイクインピーダンス:250Ω~30kΩ) Line:60mV/25V/100kΩ、ピンジャック |
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出力基準レベル/最大レベル /負荷インピーダンス |
Line:450mV/640mV/50kΩ、ピンジャック Headphone:63mV/90mV/8Ω、8mmφステレオジャック |
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付属機能 | ドルビーシステム(LED表示付き) テープセレクター(METAL、CrO2、Fe-Cr、STD)(クロームとメタルテープLED表示) 2色FL表示式レベルメーター(-20~+7dB、ピーク/ピークホールド/アベレージ切換スイッチ付) FL表示式テープカウンター バイアス微調整用ボリューム メモリーストップ/プレイ機構(LED表示付き) カウンターリピート/エンドリピート機構(LED表示付き) インプットセレクター 自動テープたるみ除去機構/ATLC カセット背面照明機構 タイマースタンバイ機構 クリックストップ付出力調整用ボリューム |
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使用半導体 | IC:13個 トランジスタ:79個(モーター制御用:3個) ダイオード:69個(モーター制御用:1個) ツェナーダイオード:7個 LED:9個 フォトインタラプタ:1個 |
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電源 | AC100V、50Hz/60Hz | ||
消費電力 | 45W | ||
外形寸法 | 幅420x高さ187x奥行368.5mm | ||
重量 | 10.1kg |