Pioneer CT-5050/CT-5050S
¥55,000(1974年頃)
解説
ドルビーシステムを内蔵したステレオカセットデッキ。
耳障りなテープヒスノイズを、ソースの音質を損なわずに大幅に改善するドルビーシステムを採用しています。
ノイズと信号のレベル差が小さく、テープヒスが耳につくピアニシモの時に自動的に録音レベルをあげ、再生時にソースと同じレベルに戻すことで、最終的にはテープヒスノイズをさげてしまうという方式で、これによりダイナミックレンジやS/Nを改善しています。
発光ダイオード(LED)と電子回路を組合わせた高感度ピークインジケーターを搭載しています。
瞬間的な入力オーバーにも素早く反応し点灯・警告します。点灯レベルはピーク値の+4dBにセットされています。
歪の限界レベルの約10dBに余裕をもたせてあるため、点滅時に録音レベルを調整できます。
またドルビーシステム併用の場合にピークインジケーターを使って録音レベルの設定をやや低めに抑えると、低歪でダイナミックレンジの広い録音ができます。
クロームテープやローノイズテープ、スタンダードテープなど、それぞれのテープの持ち味を生かすため、バイアス/イコライザー独立切換式テープセレクターを採用してます。
またクロームテープ用に新イコライザー(70μs)も採用し、SNを改善しています。
生録音などに便利な録音レベルリミッターが搭載されており、歪の原因になるオーバーレベル時に、放送局などで使われているのと同じ原理のリミッターアンプが働き、音割れを防ぎます。
メモリーリワインド付きテープカウンターを搭載しており、テープの途中から録音・再生する時でも、カウンターを000にセットし、メモリーリワインドをONにしておけば、巻き戻し時には999のカウンターポジションでオートストップが働きます。
ヘッドには耐摩耗性に優れたフェライトソリッドヘッドが採用されており、高域周波数での磁気損失が少なく、クロームテープの使用に有利となっています。
また、接触面は入念な鏡面仕上げが施されており、ヘッドタッチがよく、ゴミの付着などで起きる音飛びも少なくなってます。
テープが終ると自動的にメカが開放される無接触式オートストップ機構を搭載しています。
テープの走行にあわせてクルクルと回転するテープ走行パイロットを搭載しています。
微妙な出力レベルの調整もワンタッチにできるスライド式の再生出力コントロールを搭載しています。
モニターしながら2倍のスピードで早送り、テープの頭出しができる便利なスキップボタンを搭載しています。
電源コードに別売りのタイマーを接続し、メカを録音状態にセット、PAUSEボタンをONにしておけば希望の時間に自動的にスタートします。
スタンバイ時はピンチローラーがキャプスタンから離れた状態のため、メカに負担がかからず、ピンチローラーが変形する心配もありません。
ウォールナット仕上げのCT-5050と、ブラックレザー模様仕上げのCT-5050Sがありました。
機種の定格
型式 | コンパクトカセット、ステレオ/モノラル |
録音方式 | 交流バイアス、85kHz |
消去方式 | 交流プッシュプル方式 |
ヘッド | 録音・再生:フェライトソリッド 消去:フェライト |
モーター | 電子制御DCモーター |
早巻き速度 | 約80秒(C-60にて) |
回転ムラ(Wrms) | 0.12% |
イコライザー | 120μs/70μs(クローム時) |
周波数特性 | 一般テープ:30Hz~13000Hz、63Hz~12000Hz ±3dB クロームテープ:30Hz~16000Hz、63Hz~13000Hz ±3dB |
S/N | 48dB(333Hz、一般テープ、最大録音レベル Weighted) 58dB(5kHz、一般テープ、最大録音レベル Dolby NR ON Weighted) |
入力 | MIC:0.5mV~90mV/20kΩ(6φジャック)、ローインピーダンスマイク使用可 Line:50mV~9V/300kΩ(ピンジャック) Rec/PB:15mV~2.7V/10kΩ(DIN規格ジャック) |
出力 | Line:300mV/50kΩ(ピンジャック) Rec/PB:300mV/50kΩ(DIN規格ジャック) Headphone:40mV/8Ω(6φジャック) |
使用半導体 | トランジスタ:40個 FET:2個 サイリスタ:1個 ダイオード:18個 ツェナーダイオード:4個 発光ダイオード:1個 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 13W |
外形寸法 | 幅396x高さ96x奥行242mm |
重量 | 4.8kg |
付属 | ピンコードx2 |