Pioneer SX-717
¥78,000(1972年発売)
解説
全段直結純コンプリメンタリーOCL回路を採用したステレオレシーバー。
パワーアンプ部に全段直結純コンプリメンタリーOCL回路を採用しており、出力コンデンサーのリアクタンスによってさえぎられていた超低域まで直線的に伸び、コンデンサのもつ微少インダクタンスが超高域の特性に悪影響を与える事も無くなり、さらに結合コンデンサによって生じる発振などの不安定要素もないため、NFを充分にかけれています。
これにより、低域・高域の諸特性が向上するとともに全帯域にわたって低歪率化を実現しています。
万一の場合の対策として、保護回路には8トランジスタ、10ダイオードとリレーを組み合わせたパイオニア独自の保護回路を採用しています。
出力段の直流バランスが崩れたり、スピーカー端子のショートなど過負荷になるなどのトラブルが発生した場合、ただちに電子回路の検知部がキャッチし、リレーを働かせてスピーカーやパワートランジスタを保護します。
また、この保護回路は電源ミューティングも兼ねており、電源投入時のラッシュカーレントによる雑音を抑えています。
自動復帰型保護回路のため、トラブルが解消すると自動的に動作状態に戻ります。
4連バリコンとFETを組み合わせた高周波2段増幅回路のフロントエンドを採用しています。
また、IF部にはICとセラミックフィルターを組合わせてシャープな選択度特性を得ています。
AMチューナーのHi-fi受信も重視して設計されており、フォワードAGC回路を採用して強入力時の歪を抑えるとともに、IF部にはセラミックフィルターを使用しています。
パネル面にはワイドなダイアルスケールを搭載するとともに、シグナルストレングスメーターとセンターチューニングの2メーター方式を採用しています。
FM選局時の不快な局間ノイズを消すFMミューティング回路にFETを採用しています。
SカーブとIF段からのミューティング電圧を剛性して、同調点センター付近の狭いパルスでFETのゲートを制御しています。
トーンコントロールアンプは初段にFETを使用した3段直結NF型回路を採用しており、入力インピーダンスが高いため、ボリュームのレベルによってS/Nが低下しない安定した特性を得ています。
ツマミは二重型でBass、Trebleともに左右独立してコントロールできます。
また、クリックストップ式のため、リスニングルームにあわせた特性の再現が可能です。
オーディオミューティングスイッチを搭載しており、スイッチONで音量を20dB減衰させます。
リアパネルのプラグ操作でプリアンプ部とパワーアンプ部を分割することができます。
エレクトロニッククロスオーバーネットワークとパワーアンプを追加するだけでマルチアンプシステムを構成できます。
モーターゴロやスクラッチノイズなどのノイズを効果的にカットするLowフィルターとHighフィルターを搭載しています。
機種の定格
型式 | FM/AMステレオレシーバー | ||||||
<FMチューナー部> | |||||||
実用感度(IHF) | 1.8μV | ||||||
キャプチャーレシオ(IHF) | 2.0dB | ||||||
実効選択度(IHF) | 70dB以上 | ||||||
S/N | 70dB | ||||||
イメージ妨害比(82MHz) | 90dB以上 | ||||||
IF妨害比(78MHz) | 100dB以上 | ||||||
スプリアス妨害比(82MHz) | 90dB以上 | ||||||
AM抑圧比 | 50dB | ||||||
高調波歪率(100%変調) | mono:0.3%以下 stereo:0.5%以下 |
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ステレオセパレーション (1kHz) |
40dB以上 | ||||||
残留キャリアレベル | 50dB以上 | ||||||
アンテナ | 300Ω平衡型、 75Ω不平衡型 |
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ミューティング | ON-OFF可能 | ||||||
<AMチューナー部> | |||||||
実用感度(IHF) | 10μV | ||||||
選択度(1MHz) | 35dB以上 | ||||||
S/N(30%変調) | 50dB以上 | ||||||
イメージ妨害比(1MHz) | 80dB以上 | ||||||
IF妨害比 | 75dB以上 | ||||||
アンテナ | フェライトバーアンテナ | ||||||
<パワーアンプ部> | |||||||
ミュージックパワー(IHF) | 195W(4Ω) 122W(8Ω) |
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実効出力 |
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高調波歪率 | 0.5%以下(実効出力時) | ||||||
混変調歪率 | 0.5%以下(実効出力時) | ||||||
出力帯域幅(IHF) | 10Hz~60000Hz | ||||||
周波数特性 | 7Hz~80000Hz ±1dB | ||||||
入力感度/インピーダンス (実効出力時、1kHz) |
500mV/50kΩ | ||||||
負荷インピーダンス | 4Ω~16Ω | ||||||
ダンピングファクター | 40以上(8Ω、1kHz) | ||||||
<プリアンプ部> | |||||||
出力レベル | 実効出力時:500mV 最大:4V |
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高調波歪率 | 0.1%以下 | ||||||
周波数特性 | 10Hz~20000Hz ±1dB | ||||||
入力感度/インピーダンス (実効出力時、1kHz) |
Phono1、2:3mV/50kΩ MIC:2.7mV/50kΩ AUX、Tape Mon1、2:200mV/100kΩ |
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録音出力 | Tape Rec1、2(ピンジャック):200mV DINコネクター:35mV |
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トーンコントロール | Bass及びTreble | ||||||
Lowフィルター | -8dB(50Hz)、6dB/oct | ||||||
Highフィルター | -9dB(10kHz)、9dB/oct | ||||||
イコライザー | RIAA S.T.D | ||||||
ラウドネス (ボリューム-40dB時) |
100Hz:+10dB 10kHz:+6dB |
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ミューティング | -20dB | ||||||
ハム及び雑音(IHF) | Phono:85dB以上 AUX:95dB以上 |
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<総合> | |||||||
定格消費電力 | 100W | ||||||
最大消費電力 | 270W | ||||||
外形寸法 | 幅485x高さ150x奥行390mm | ||||||
重量 | 14kg |