Pioneer SM-3000
¥100,000(1971年頃)
解説
繊細な表現を大切にした最高級仕様のステレオパワーアンプ。
回路構成には全段直結3段ダーリントン純コンプリメンタリーOCL回路を採用しています。
出力段には、コレクター損失100Wで、諸特性、破壊特性ともに揃ったシリコン三重拡散型のNPN、PNPパワートランジスタをパラレルに使用しています。また、DC電位を安定したものにするため差動アンプを2段仕様とし、さらに温度補償回路にも念を入れ、-15℃から+55℃の範囲において0±0.005Vの変動という高い安定性を得ています。
トランジスタ9個とダイオード11個を用いた電子回路とパワーリレーを組み合わせた保護回路を搭載しており、スピーカー端子ショートによる内部保護や、内部事故による渦電流からスピーカーを保護しています。
この回路は問題が解消されれば自動的に復帰し、通常の状態に戻ります。また、プロテクターに連動して点灯するランプインジケーターを搭載しているため、外部から状態を判断できます。
このプロテクター回路は電源投入時の雑音を除去する電源ミューティングも兼ねています。
2系統の入力端子を搭載しています。また、入力感度は4ポジションの切換式となっています。
2ポジション切換式のローカットフィルターを搭載しています。
カットコアを用いたパワートランスをはじめ、ガラスエポキシ製プリント基板、高級スイッチ類などの厳選したパーツを採用しています。
3系統のスピーカー出力を搭載しています。
一台ごとに綿密にチェックした実測データが添付されています。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ | |||
回路方式 | 全段直結純コンプリメンタリーOCL方式 | |||
ミュージックパワー(IHF) | 400W(4Ω) 250W(8Ω) |
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実効出力 |
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高調波歪率 | 0.1%以下(実効出力時) 0.05%(8Ω、50W/50W出力時) |
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混変調歪率 | 0.1%以下(実効出力時) 0.05%(8Ω、50W/50W出力時) |
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出力帯域幅(IHF) | 5Hz~50kHz(8Ω、歪率0.1%以下) | |||
周波数特性 | 10Hz~70kHz +0 -1dB | |||
入力感度/インピーダンス (実効出力時、1kHz) |
0.5V/50kΩ 1V/60kΩ 2V/60kΩ 5V/60kΩ |
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負荷インピーダンス | 4Ω~16Ω | |||
ダンピングファクター | 100以上(8Ω、1kHz) | |||
ハム及び雑音 | 95dB以上(IHF、ショートサーキット) | |||
ローフィルター | 7Hz/20Hz切換式、12dB/oct | |||
付属回路 | 入力セレクター(1、2) 入力感度セレクター(0.5V、1V、2V、5V) スピーカーセレクター(A、B、C、A+B、A+C、B+C) 保護回路インジケーター |
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使用半導体 | トランジスタ:38個 ダイオード他:26個 |
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電源コンセント | 電源スイッチ連動:1系統 電源スイッチ非連動:1系統 |
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電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz | |||
消費電力 | 165W(定格) 500W(最大) |
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外形寸法 | 幅422x高さ172x奥行288mm | |||
重量 | 15.1kg | |||
付属 | 実測データシート |