Pioneer M-77
¥180,000(1980年頃)
解説
余裕のあるパワーで優れたダイナミックレンジを得たステレオパワーアンプ。
優れた音楽性を再現するハイパワーアンプを目指し、回路構成の決定には試聴と測定の両面から十分な検討が行われています。
回路は、初段カスケード接続差動増幅、終段トリプルプッシュプル、純コンプリメンタリーOCL回路を採用しています。
初段をカスケードされた差動アンプとすることにより、直流的な安定度を高めるとともに、高域の特性の改善を図っています。
プリドライバー段(A級ドライバー段)は、カレントミラー回路を採用したプッシュプル回路となっており、カレントミラー回路によって直流的なバランスが高められ、交流的にはプッシュプル回路により、高利得と偶数次の高調波歪成分を抑えるなどの役割をはたしています。
ドライバー段、出力段は2段ダーリントン回路で、パワートランジスターは3個パラレル接続されたトリプルプッシュプル構成になっています。出力段をトリプルプッシュプルにすることで、各トランジスタに流れる電流は1/3ずつになり、リニアリティの良い動作点を選ぶ事ができるため、大出力を低歪率で取り出すことができています。
厳選した素子で構成することにより、微小出力時でのキメ細やかさにも配慮がされてます。
電源部では、トランスに内部抵抗が低くレギュレーションの良い大型トロイダルトランス、コンデンサーには15,000μFx4を使用した構成を採用しています。
ピークパワーメーターを搭載しています。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
回路方式 | 初段カスケード接続差動増幅トリプルプッシュプル ピュアコンプリメンタリーOCL回路 |
実効出力 (両ch駆動、20Hz~20kHz) |
250W+250W(4Ω) 250W+250W(8Ω) |
高調波歪率(20Hz~20kHz) | 実効出力時:0.1% 125W出力時(8Ω):0.05% 1W出力時(8Ω):0.05% |
混変調歪率 (50Hz:7kHz=4:1、8Ω) |
実効出力時:0.1% 125W出力時:0.05% 1W出力時:0.05% |
出力帯域幅(IHF、両ch駆動) | 5Hz~30kHz(歪率0.1%) |
周波数特性 | 5Hz~80kHz +0 -1dB |
入力端子 | Input:2V/50kΩ |
出力端子 | Speaker:4Ω、8Ω |
ダンピングファクター | 50(20Hz~20kHz、8Ω) |
SN比 | 110dB(IHF、Aネットワーク、ショートサーキット) |
使用半導体 | トランジスタ:55個 ダイオード、他:81個 |
電源電圧 | 100V、50Hz/60Hz |
消費電力(電気用品取締法) | 450W |
最大消費電力 | 1200W |
外形寸法 | 幅480x高さ186.5x奥行445mm |
重量 | 24.3kg |
EIA規格ラック取付ユニット | 4U |