Pioneer C-Z1a
¥460,000(1983年発売)
解説
伝送誤差ゼロを実現するため、アンプの裸特性を向上させた無帰還プリアンプ。
C-Z1で開発し、トランジスタの非直線性を解決したスーパーリニアサーキットをベースに回路を磨き上げています。
"入力信号を忠実に増幅し出力信号として取り出す"というアンプ設計の原点に返り、NFBをかけずに優れた特性を得るために、トランジスタの非直線性を逆モードの非直線性のトランジスタでキャンセルするスーパーリニアサーキットを開発・採用しています。
これにより無帰還アンプとなり、NFBによって出力信号を入力段に戻す時間的な遅れが原因で発生する高域の不安定性やTIM歪の発生メカニズムを抑えています。
C-Z1aでは、このスーパーリニアサーキットを1チャンネルあたりイコライザー段に2個、フラットアンプに1個使用しており、2チャンネルトータルでは6個を使用し、入口から出口まで信号系にNFBループを持たない無帰還構成となっています。
スーパーリニアサーキットは電流増幅器と考えられるため、負荷抵抗の値によって利得が決定するという性質を持っています。この特徴を利用し、負荷にRIAA特性を持たせたカレントイコライザーを採用しています。
コンデンサーと抵抗からなるイコライザー素子を接続し、RIAA特性を持ったイコライザーアンプを形成することで、従来のCR型では考えられないほどの最大許容入力を実現しています。
無帰還アンプでは出力点でのDC電圧の安定性が重要になります。
C-Z1aでは中点電圧の変動を抑えるために、一度安定したスーパーリニアサーキットの供給電圧をさらに2重に安定化してロックするダブルロックドサーボレギュレーターを採用し、入力から出力までを全段直結で構成し、信頼性を高めています。
磁性体による悪影響を防止するため、シャーシやフレームなど全てにアルミニウム材を採用した非磁性体構造となっています。
信号電流、リップル電流により発生するウズ電流を解消し、ヌケの良い音質を実現するガラスケース電源コンデンサーを採用しています。
リード線引き出し部は、非磁性体・黄銅キャップカーボン抵抗を採用しています。
プリント基板には強度が高く、高周波特性に優れたガラスエポキシを採用しています。
さらに、イコライザー基板には280μの無酸素銅箔を使用し、直流抵抗、インダクタンスを軽減しています。
ポリスチレンとポリプロピレンの複合構造による新開発オリジナルイコライザー素子用フィルムコンデンサーを採用しています。
信号系の配線材には信頼性の高い無酸素銅材を使用しています。
スターカッド構造の接続用ピンプラグコード(無酸素銅線)を標準装備しています。
大容量2重絶縁電源コードを採用しています。
機種の定格
型式 | 無帰還ステレオプリアンプ | ||
入力感度/インピーダンス |
AUX:150mV/50kΩ Tape Play:150mV/50kΩ |
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出力レベル/インピーダンス | Tape Rec:150mV/1kΩ Output:定格 1V、最大 5V/1kΩ |
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電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz | ||
消費電力 | 60W(電気用品取締法) | ||
ACアウトレット | 電源スイッチ連動:3系統、トータル700W 電源スイッチ非連動:2系統、トータル200W |
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外形寸法 | 幅220x高さ185x奥行454mm | ||
重量 | 12.1kg |