Pioneer A-D5a
¥60,000(1998年5月発売)
解説
A-D5の後継機として開発されたプリメインアンプ。
出力段にはダイレクトエナジーMOS-FETを採用しています。
この素子はオン抵抗が非常に小さいため優れたパワーリニアリティを実現するとともに、高い低負荷ドライブ能力を持っています。
回路構成にはワイドレンジリニアサーキットを採用しています。
この回路では必要なゲインを電流帰還型回路による1段増幅で得るシンプルな構造を採用しており、電流リニアリティに優れ、出力インピーダンスがフラットで、低域から高域まで安定したドライブが可能です。
A-D5aではダイレクトエナジーMOS-FETとワイドレンジリニアサーキットを組み合わせることでソース抵抗とスピーカー出力端子のチョークコイルを排除し、シンプル化、低発熱化、小型化を実現しています。
電源部にはスーパーリングトロイダルトランスを採用しています。
このトランスは低損失でありながらアンプ内のノイズ源となるリーケージフラックスが小さく、クリーンな電源供給を可能にしています。
平滑コンデンサーにはコンプリメンタリーキャパシティペアを採用しています。
このコンデンサーではプラス側とマイナス側で発生するそれぞれの磁界を互いにキャンセルしています。
内部レイアウトは左右対称構成とし、信号経路の最短化を徹底しています。
また、ダイレクトエナジーMOS-FETのそれぞれに独立した肉厚アルミ押出し材によるヒートシンクを採用しており、従来のアンプで無くすことができなかったパワー素子とヒートシンク間の絶縁物を排除しています。また、出力段におけるダイレクトエナジーMOS-FET間の相互干渉を排除しています。さらにボリュームノブにも無共振化のためのスタビライザーを採用しています。
シャーシとリアパネルは銅メッキ鋼板によるハイコンダクション・シャーシ構造を採用しており、電気伝導度を高め、高周波インピーダンスを抑えています。シャーシ内電位差が低くなるため電気的安定度が高まり、よりリアルな音場を再生します。
バランス回路とトーン回路をパスするダイレクトボタンを搭載しています。
大容量3P極太タイプOFC電源コードを採用しています。
出力端子にはバナナプラグ対応のスピーカーターミナルを採用しています。
また、各端子には金メッキ入出力端子を搭載しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
実用最大出力 | 150W+150W(EIAJ、4Ω) |
定格出力(両ch駆動) | 110W+110W(4Ω、20Hz~20kHz、0.2%) 60W+60W(8Ω、20Hz~20kHz、0.05%) |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.8mV/50kΩ CD、Tuner、Line、Tape1/MD、Tape2/monitor:200mV/50kΩ |
Phono最大許容入力 | Phono MM:150mV(1kHz、0.02%) |
出力レベル/インピーダンス | Tape1/MD、Tape2/Monitor:200mV/1kΩ Tape rec:200mV/1kΩ |
周波数特性 | Phono MM:20Hz~20kHz ±0.3dB CD、Tuner、Line、Tape1/MD、Tape2/Monitor:5Hz~100kHz +0 -2dB |
トーンコントロール | Bass:±8dB(100Hz) Treble:±8dB(10kHz) |
ラウドネスコンター(Vol -30dB) | +5dB(100Hz)、+3dB (10kHz) |
SN比 (IHF、Aネットワーク、ショートサーキット) |
Phono MM:88dB(at 5mV) CD、Tuner、Line、Tape1/MD、Tape2/Monitor:108dB |
スピーカー負荷インピーダンス | A、B:4Ω~16Ω A+B:8Ω~32Ω |
ACアウトレット | 電源スイッチ連動:1系統(100W) 電源スイッチ非連動:1系統(100W) |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 160W(電気用品取締法) |
外形寸法 | 幅420x高さ128x奥行335mm |
重量 | 6.2kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |