PICKERING FA145J/FA112J
FA145J:¥99,000(1970年代頃?)
FA112J:¥85,000(1970年代頃?)
解説
自社のカートリッジの性能を発揮させるプレイヤーシステムとして開発されたレコードプレイヤー。
ターンテーブルにはジャイロポイズ・ターンテーブルを採用しています。
ジャイロポイズ方式では、磁気の反発力を利用したマグネチック・サスペンションを採用することでターンテーブルを浮かせており、ベアリングやスプリングを排除しています。
ジャイロポイズを構成している固定マグネットは、シャーシからスプリングで懸架されています。このマグネットを支えているT型の金属バーの一端にトーンアームが取り付けられており、二段構造の宙吊り方式とすることで外部からの振動を抑えています。
トーンアーム部にはユニポイズ・トーンアームを採用しています。
このアームは理論的に最も低摩擦である一点支持を採用しています。また、この方式の難点とされる水平バランスのねじれは、軸受部の外周全体があらかじめ計算されたバランサーになることで解決しています。
カートリッジには、FA145JにはXUV/4500Q、FA112JにはXV-15/1200Eを採用しています。
いずれもアームとカートリッジのマッチングは設計段階で計算されており、さらに工場で1本1本調整されています。
コントロール類は、2スピード切換え、モーターのON/OFF、キュー・コントロールの3種類のみとなっています。
また、針圧調整は直線アーム上のスライド・ウェイトで行うことができ、アンチ・スケートは軸受基部の目盛で調整できます。
軸点にかかる負担を軽減するため、アーム前方でロックするアームレストを排除し、バランスさせたままマグネットで軽く吸着する構造を採用しています。
ダストカバーは取り外しが可能です。
機種の定格
型式 | レコードプレイヤー |
カートリッジ | FA145J:XUV/4500Q FA112J:XV-15/1200E |
ドライブ方式 | 24極低速型シンクロナス・モーター精密ベルト・ドライブ |
スピード | 33・1/3、45rpm ±0.3% |
ワウ・フラッター | 0.07%以下 |
ランブル | -60dB以下 |
針圧調整 | 0~4g |
アンチ・スケート | 調整可能 |
トラッキングエラー | ±1.7゜(最大) |
電源 | AC95V~125V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 3W |
外形寸法 | 幅375x高さ178x奥行330mm |
重量 | 5.7kg |
カートリッジ XUV/4500Qの仕様 | |
針先型式 | クォドラルヒドラル |
針圧 | 1g(+0.5g~0.25g) |
周波数特性 | 10Hz~50kHz |
出力電圧 | 3.4mV(5.5cm/s) |
チャンネルセパレーション | 35dB(1kHz) 25dB(30kHz) |
カートリッジ XV-15/1200Eの仕様 | |
針先型式 | 0.2x0.7mil楕円針 |
針圧 | 1.75g(+0.5g~0.25g) |
周波数特性 | 10Hz~30kHz |
出力電圧 | 4.4mV(5.5cm/s) |