
PHILIPS N4520/N4522
N4520:¥390,000(1980年頃)
N4522:¥390,000(1980年頃)
解説
プロユースの水準を目指して開発されたテープデッキ。
N4522は2TR-38cm、N4520は4TR-38cm仕様となっています。
メカニズム部にはダイレクトドライブ方式を採用しており、低速高精度モーターのモーター軸そのものをキャプスタンとして使用しています。
また、キャプスタンにはクォーツロック方式を採用しています。クォーツ発振器によってコントロールされた基準周波数がフライホイールにビルトインされた72極のタコメーターの動きに連結し、スピード差を制御しています。そして、フライホイールの外周とモーター軸との間をベルトで連結し、キャプスタン軸のスピードが1/10,000の高精度にクォーツロックされます。
フライホイールには800g、直径110mmの大型フライホイールを採用しており、ロングライフシールドベアリング(25~55ミクロン)に支えられています。
6.5mmのキャプスタンとの偏心度と軸のアライメントに関しては1ミクロンいないに調整されており、テープ自体の厚さの変化や時間経過によるテープ伸びなどに対しても対応しています。
線型テープ長カウンターを搭載しています。
従来のテープカウンターの駆動方式はテープスピードを巻取りリール側のテンションアームとの角度型でカウントする主砲でした。N4520/N4522では線型にモニターするガイドローラーを装着しており、テープ走行と共に周る事でシャフトに連結されたパルス発振器が走行テープ長に比例した数のパルスを送り出します。これをカウントしてテープカウンターに表示しています。
このパルス周波数とテンションアームの角度をモニターしながら供給側のリールモーターを自動制御することで、テープテンションとスピードが常に一定に保たれています。
パルスカウント式蛍光デジタル表示のテープカウンターを搭載しています。
録音・再生ヘッドには耐摩耗性に優れS/N比の高いソリッドタイプのFSXセンダストヘッドを採用しています。
操作部にはソレノイド動作のフェザータッチ式操作ボタンを採用しています。
テープ保護の電子回路を組み込んだダイレクトチェンジ式となっています。
ミキシング機能を搭載しており、SOS録音やエコー録音・再生が可能です。
FMエアチェック用に内蔵されたパイロットトーンフィルターで低歪率録音が可能です。
バイアス/イコライザーの調整が可能です。
機種の定格
型式 | テープデッキ |
ヘッド構成 | N4522:2トラック2ch消去、録音、再生 N4520:4トラック2ch消去、録音、再生x各1 |
モーター | コアレス3モーター |
テープ速度 | 38cm/s、19cm/s |
回転ムラ | 38cm/sec:0.035%以下(WRMS) 19cm/sec:0.056%以下(WRMS) |
S/N比 | 58dB以上 |
歪率 | 1%以下(+3dBVU) |
周波数特性 | 30Hz~26kHz ±2dB(38cm/s) 30Hz~20kHz ±2dB(19cm/s) |
外形寸法 | 幅530x高さ527x奥行230mm |
重量 | 25kg |
別売 | 10号メタル空リール(¥3,200) NABアダプター(¥3,500) |