オーディオの足跡

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EA-3の画像
 解説 

EA-1の設計思想と音楽表現を継承して開発されたトランジスタ式フォノイコライザーアンプ。

回路構成には全段対称無帰還型増幅を採用しています。

初段は相補正FET(電界効果トランジスタ)のコンプリメンタリー接続によって低雑音の電圧電流変換回路を構成しています。厳選された素子を採用し、自己バイアス動作によって動作点が定まるため、バイアス回路が不要となり、雑音の流入や音質の悪化要因を排除でき、素子本来の低雑音動作を可能にしています。

2段目は電流増幅及び電圧変換回路を構成しており、電流出力点に接続されたRIAAインピーダンス素子によって再生特性を得ています。これにより超高域周波数までRIAA偏差の無いCR型イコライザー回路を構成しており、優れた過渡特性を得ています。
この回路では電流変化誤差や出力電圧に依存する増幅素子のパラメーター変動の影響を受けずに高精度などうさを行う回路技法が投入されており、無帰還型増幅器でありながら帰還型増幅器に匹敵する優れた電気的特性を実現しています。

出力バッファー回路では入力ブートストラップ回路によって広帯域にわたって高入力インピーダンスを確保しています。また、ダーリントン接続された出力素子は十分な電流増幅を餅、次段に接続される機器を強力にドライブします。

電源部には左右独立の電源トランスとシャント型ローカル電源を採用しており、電源負荷によるパラメーター変動の無い理想的な電源供給を行い、回路電流ループの極小化によってチャンネルセパレーションを高めています。
また、電源トランスには大型のR型トランスを採用しており、低磁束密度による余裕を持った動作を行う事で磁気振動とリーケージフラックスの発生を極力抑えています。

内部レイアウトは左右対称のデュアルモノラルコンストラクションを採用しており、左右チャンネルの均一性を実現しています。

電源トランスは電気・磁気抵抗の高い絶縁体である5mm厚のベーク板を介して直接真鍮丸棒削り出しのフットに組み付けられています。これにより電源トランスが発する振動がシャーシに伝播せずに直接地面に放出される構造となっています。

シャーシ構造は無振動・無共振・無干渉構造を徹底しています。
増幅部は音楽信号以外の信号や振動の影響を受けないよう電磁気的にフローティングしたサブシャーシにマウントしています。さらに、シャーシベースやトップカバーにはそれぞれ1.2mm、1.6mm厚の鋼板に銅メッキ処理を施し、さらにこの上から塗装仕上げを施して使用することで剛性の確保と磁気歪の軽減を実現しています。
フロントパネルは6mm厚のアルミ削り出しによって制作されています。

カットオフ周波数20Hz/40Hzの本格的なアクティブ型サブソニックフィルターを搭載しています。

入出力端子には削り出し金メッキ端子を採用しています。

機種の定格
型式 フォノイコライザーアンプ
入力感度/インピーダンス MM:2.5mV/47kΩ
MC:0.12mV/470Ω
利得 MM:38dB
MC:65dB
入力換算S/N比 MM:-124dBV
MC:-144dBV
最大許容入力 MM:125mV(1kHz)
MC:6mV(1kHz)
定格出力電圧 200mV(1kHz)
RIAAカーブ偏差 20Hz~20kHz ±0.2dB
出力インピーダンス 100Ω
チャンネルセパレーション 100dB以上(20Hz~20kHz、MC/MM共)
サブソニックフィルター 20Hz/40Hz、18dB/oct
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 7W
外形寸法 幅305x高さ90x奥行310mm
重量 5.1kg
付属 電源ケーブル