
PASS Aleph L
¥330,000(1996年発売)
解説
Pass Aleph P mkIIの技術をしつつアンバランス接続専用設計に徹したプリアンプ。
増幅回路は片チャンネルにつき各1個の入力用抵抗とコンデンサー、1個のパワーMOS-FET、各1個の出力用抵抗とコンデンサーのみで構成されています。出力用抵抗はボリュームです。入力信号はボリュームなどの回路を通過せずに4系統の入力セレクターを経由してパワーMOS-FET素子へダイレクトに供給されます。この構成によってMOS-FETの高い入力インピーダンスを維持しながら最小限のノイズと歪率を実現しています。
MOS-FETは電流の増加とともに増幅率が高くなる性質を持っています。この性質を活かして適切にコントロールすることにより、A級シングルエンド動作によって素直にプラス側の出力が増加し、非対称増幅特性を得ることができます。
適切な非対称増幅特性を保つため、回路のゲイン設定を変更できます。
ゲイン設定の変更は内部基板上に配置されたディップスイッチで行うことができ、入力信号レベルに応じて4段階0-6、4-13、2-17.6dBの切換が可能です。
マスターボリュームには銀メッキ接点のセレクタースイッチと精密抵抗アレイで構成されており、約0.1%偏差、123ステップの正確な音量調整が可能です。
金メッキの出力端子は系統パラレルとなっており、600Ω負荷に対しておよそ+20dBmのピーク出力が得られます。
シャーシフレームは精密機械加工のアルミニウム材で構成されています。
コンピューター制御のフライス盤によって自社で削りだしており、金属板の加工部品は使用していません。
常時通電したままでもトップコンディションを維持できる高信頼設計となっています。
※プリアンプの利得回路は逆位相になっています。
Aleph Lに最大限の性能を発揮させるためには正しい位相を得るために両方のスピーカーの極性を逆に接続する必要があります。
機種の定格
型式 | コントロールアンプ |
ゲイン | 0dB~17.6dB(内部スイッチにより切換) |
周波数特性 | 10Hz~100kHz +0 -3dB |
全高調波歪率 | 0.2%以下 |
最大出力 | 10V |
出力インピーダンス | 0~750Ω |
入力インピーダンス | 10kΩ(gain 13.4dB)~20kΩ(gain 6.5dB) |
出力ノイズ | 10μV(unweighted、20Hz~20kHz) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 15W |
外形寸法 | 幅305x高さ102x奥行292mm |
重量 | 7.8kg 10kg(梱包時) |