Ortofon X1-MC
価格不明(1980年代後半頃?)
解説
MM用の端子で直接使用できるように高出力設計が採用されたMC型カートリッジ。
X3-MCとX-1MCでは針先が異なり、X3-MCはファインライン、X-1MCは楕円針が採用されています。
高出力を得るためにはコイルの巻き数を多くする必要がありますが、単純にコイルの巻き数を多くするだけではムービングマスが増加し、トラッキングアビリティが低下します。この問題を解決するため、X1-MCではムービングマスを低減する工夫が施されています。
まず、アーマチュアは0.0012gと軽量な十字型を採用しています。形状的に効率良く高出力が取り出せ、優れたチャンネル・セパレーションを同時に得ています。さらにコイルには、一般的なコイルの約1/3の18μm極細タイプの高純度銅線を使用しています。これにより、トータルでのムービングマスは0.2g以下を実現しています。
X1-MCのスタイラスにはダイヤモンド楕円針を採用しています。
ダンピング・システムには一層のブチル合成ゴムを採用しており、マグネットへの最短距離で最適なコンビネーションを獲得し、全帯域にわたり均一なダンピング効果を得ています。
機種の定格
型式 | MCカートリッジ |
出力電圧 | 2mV(1kHz、5cm/s) |
周波数特性 | 20Hz~30kHz |
チャンネルセパレーション | 22dB以上(1kHz) |
コンプライアンス(ダイナミック、水平) | 13x10-6cm/dyne |
適正負荷抵抗 | 47kΩ |
内部インピーダンス | 80Ω |
適正針圧 | 2.0g |
針先形状 | 楕円 |
自重 | 4.1g |