Ortofon MC20SuperII
¥45,000(1980年代後半頃?)
解説
SuperIIシリーズの中核をなす機種として、これまでのSuperシリーズで培った経験と技術を投入して開発されたMCカートリッジ。
スタイラスにはフリッツ・ガイガー社製Type1スタイラスを採用しています。
Type1はダイヤモンド研磨の最新技術から生み出された研磨技術によって小さな開口角度の設計を実現しています。これによって90゜未満の開口角度のレコードでも音溝の中間部分を理想的にトレースでき、歪やノイズの原因となるレコードのソリや埃の影響を排除し、歪や位相エラーを減少させています。
ハウジングには高剛性ピュア・アルミ引き抜き成型のメタル・ボディを採用しており、共振を排除しています。また、ベースをデザイン変更し、ハウジングの剛性を高めるとともにヘッドシェルとも理想的に接触させ、シェル取付時の剛性を向上しています。
裏側に特殊なカーボンファイバープレートを挿入することでレコードの表面から継続して静電気を放出させ、静電気が多くなったり、放電によるノイズを防いでいます。
さらに、ムービング・システムの底に硬いカーボンファイバー・プレートを取り付けることによって共振も防いでいます。
アーマチュアには十字型の小さなものを採用しており、振動部分を大きくすることなくコイルの巻き数を増量させ、スタイラス質量を0.33mgに抑えています。また、両コイルのクロス部分が同じため、チャンネル・バランスが向上しています。
コイルはレコードの溝壁と同じように正確に90゜で取り付けられており、正確なステレオセパレーションを実現しています。
巻線数を最低限に抑え高い出力電圧を得るため、強力なマグネットとポールピースを採用しています。さらに、共振を減少させるためにマグネットはボディ全体につけられています。
ダンパーはオルトフォン独自のWRD(ワイドレンジ・ダンピング)方式を採用しており、全周波数帯域にわたってフラットな特性を確保しています。また、位相管理を統合したオルトフェイズ理論が設計に組み込まれており、正確な定位とより優れた音像とディティールを実現しています。
機種の定格
型式 | MCカートリッジ |
出力電圧 | 0.2mV(1kHz、5cm/sec) |
チャンネルバランス | 1dB以内 |
チャンネルセパレーション | 25dB以上(1kHz) |
周波数特性 | 20Hz~40kHz +4dB -1dB |
コンプライアンス(ダイナミック、水平) | 16x10-6cm/dyne |
針先形状 | フリッツ・ガイガーType1 |
適正針圧 | 1.8g |
内部インピーダンス | 3Ω |
自重 | 10g |