オーディオの足跡

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PPA600の画像
 解説 

オルトフォンから約20年ぶりに開発されたプロフェッショナル用ステレオパワーアンプ。

パワー段にはパワーMOS-FETを採用しています。
パワーMOS-FETは一般のバイポーラトランジスタに比べて電圧ロスが大きいため電源部や放熱器が重く大きくなるため、敬遠されていましたが、PPA600ではFETの持つ聴感上のメリットに注目し、あえて採用しています。

パワーアンプ部は全段対称プッシュプル構成となっており、電圧増幅部は初段が差動プッシュプル、2段目がシングルのコレクター結合エミッター接地プッシュプル、電力増幅部は2段ダーリントン接続で、ドライバー段はバイポーラトランジスタ、出力段は4パラレル接続のパワーコンプリメンタリー・パワーMOS-FETを採用しています。
出力端子から初段への反転入力には100%のDC-NFB(直流負帰還)をかけ、入力には直流カット用コンデンサーを挿入しています。回路のシンプル化のためにDCサーボを掛けていませんが、DCドリフトの心配がありません。

電源部には超大型トロイダルトランスと15,000μFの電解コンデンサを2個ずつパラレルに接続した設計となっています。

ファンによる強制空冷システムを採用しており、信頼性を確保しています。
PPA600ではファン騒音を極力避けるため、内部温度が約40℃以下ではファンは回転せず、40℃を超えた場合には温度上昇にともなって徐々に回転を速くなるように制御されています。万一アンプがオーバーヒートし、内部温度が70℃を超えた場合にはセンサーが作動し、プロテクションリレーをOFFにし、スピーカーを切離します。さらに内部温度が60℃まで下がればリレーは自動的に復帰します。
この他にも過電流やDCドリフトに対してもプロテクションを施し、安定性と信頼性を高めています。

入力端子はバランス型でキャノン(XLR)端子とフォーンジャックの2系統を搭載しています。
また、付属のアダプターによってRCA型ピンジャックも接続可能です。

バランス入力された信号をアンバランス信号に変換する平衡/不平衡変換回路には6dBのゲインを持つFET入力OPアンプを採用しています。その後に抵抗とFETで構成された2段の電子ミューティング回路を挿入することでショックノイズを防止しています。
また、自動フェードイン機能を装備しており、入力信号を入れた状態で電源をONにしても徐々に音量は上がり、電源ONとともに大音量を発したり、スピーカーを痛める心配がありません。

BTL接続用のインバーターはFET入力型OPアンプ(ゲイン1)による反転アンプとなっています。
リアパネルのブリッジ切替スイッチをmonoにした場合にはこのインバーター出力(チャンネルAの信号)がチャンネルBに接続されてモノラル動作となります。

ボリュームには各チャンネル独立型のクリック付きボリュームを採用しています。
このボリュームはフルボリュームから中央までは1dB刻み、中央以降は2dB刻み、最後の3ステップは5dB、10dB、20dB刻みのクリックが付いています。

BTL接続用インバータを内蔵しており、スイッチの切替によってハイパワーモノラルパワーアンプとしても使用できます。

外観は19インチラックマウント仕様となっています。

製品の全てに実測データが添付されていました。

機種の定格
型式 ステレオパワーアンプ
実効出力 350W+350W(4Ω)
225W+225W(8Ω)
950W(4Ω、ブリッジ接続)
650W(8Ω、ブリッジ接続)
全高調波歪率 0.1%以下(0~20kHz、0~225W/8Ω)
周波数特性 10Hz~60kHz +0 -3dB
ダンピングファクター 250以上(8Ω、1kHz)
入力感度 1.41V(225W/8Ω)
入力インピーダンス 20kΩ
外形寸法 幅483x高さ138x奥行455mm
重量 22kg