ONKYO Integra T-425
¥39,800(1981年頃)
解説
クォーツシンセサイザ方式を採用したFM/AMステレオチューナー。
局発周波数を、マイクロコンピューターが制御するPLL(フェーズ・ロック・ループ)で電子的に合成して作り出すシンセサイザ・チューナーです。
周波数は、100kHz間隔でデジタル的に決定され、しかも、PLLの基準周波数は正確な水晶発振器から取り出しているので温度や湿度の変化に伴う同調ズレや、これに起因する音質の劣化を取り除いています。
FM/AMそれぞれ6局まで記憶する12局プリセット・メモリーを搭載しています。
このメモリーは、電源スイッチを切っても、電源コードを抜いてもメモリーが消えません。
選局スイッチの押し方を変えることで、オートスキャンとマニュアルスキャンを選ぶ事が可能です。
手動(マニュアル)の場合は、スイッチをワンプッシュすることに0.1MHzづつ周波数が変化し、自動(オート)の場合はスイッチを押し続けると自動的に周波数が変化し続け、周波数デジタル表示とシグナルインジケーターを見ながら、希望局でスイッチから手を離せば選局が完了します。
フロントエンド部では、RF段に、雑音指数が低く、広ダイナミックレンジであるデュアルゲートMOS FETを採用しています。
高感度と妨害波排除性能を向上させると共に、混変調妨害や近接する2つの強レベル局による受信障害の排除にも成果を上げています。
中間周波数を増幅するIF部には、微分利得直視法によって厳しく選んだ広帯域リニアフェーズフィルタを使用し、IFアンプには、高性能差動型ICを採用して充分なリミッター効果を得ています。
さらに、検波器も微分利得直視法によって、広帯域にわたるリニアな特性を得ています。
左右のオーディオ信号へ分離するMPX部は、安定度の高いPLL ICを採用しています。
さらに、強化フィルタの追加とNFBにより低歪化を徹底しています。
AM部は、外部ノイズに強いAM専用ループアンテナを装備し、RF段からオーディオ部までFM部とは完全に独立させたAM専用ICを採用しています。
RF増幅部へ2段、IF増幅部へ1段、合計3段の遅延型AGCを内蔵し強入力に対しても低歪率を維持すると共に、ビート障害や同調時のショック音を防止しています。
希望局の電波が弱い場合などに対応するため、入力レベルに応じて、L/Rの高域ブレンド量を変更し、自動的にS/Nの劣化を防ぐノイズリダクションを装備しています。
入力レベルが大きいときは自動的に回路を切り離します。
機種の定格
| 型式 | クォーツ・デジタルシンセサイザ方式FM/AMチューナー | ||||||
| <FMチューナー部> | |||||||
| 受信周波数 | 76.1MHz~89.9MHz | ||||||
| 実用感度(75Ω/IHF) | 0.9μV/10.3dBf | ||||||
| S/N50dB感度(75Ω/IHF) | 2.0μV/17.3dBf | ||||||
| 相互変調妨害比(±2.5MHz) | 80dB | ||||||
| イメージ妨害比(83MHz) | 50dB | ||||||
| IF妨害比(83MHz) | 90dB | ||||||
| S/N比 | mono:76dB stereo:72dB |
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| スプリアス妨害比 | 75dB | ||||||
| 2信号選択度(±400kHz離調) | 60dB | ||||||
| AM抑圧比 | 60dB | ||||||
| キャプチャーレシオ | 1.0dB | ||||||
| 歪率 |
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| 周波数特性 | 20Hz~15000Hz +0 -1dB | ||||||
| アンテナインピーダンス | 75Ω | ||||||
| ステレオセパレーション |
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| キャリアリーク | -50dB | ||||||
| 出力電圧/インピーダンス | 固定出力:500mV/1.6kΩ | ||||||
| <AMチューナー部> | |||||||
| 実用感度 | 200μV/m(バーアンテナ) | ||||||
| イメージ妨害比/IF妨害比 | 50dB/36dB(999kHz) | ||||||
| 2信号選択度 | 35dB | ||||||
| S/N比 | 50dB | ||||||
| 歪率 | 0.3% | ||||||
| 出力電圧 | 録音出力:150mV | ||||||
| <総合> | |||||||
| 電源 | AC100V、50/60Hz | ||||||
| 消費電力 | 15W(電気用品取締法規格) | ||||||
| 外形寸法 | 幅435x高さ66x奥行278mm | ||||||
| 重量 | 3.4kg | ||||||