オーディオの足跡

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Quartlam-IIIの画像
 解説 

QL方式を採用したフロア型スピーカーシステム。

QL方式はフルートや横笛などの原理を応用したもので、スピーカーの後部に設けられたALT(Acoustic Loading Tube)によって、スピーカーの背面から出た音を、管の長さが1/4波長に相当する周波数で共振させ、低音域を能率よく再生する方式です。この方式のエンクロージャーの構造は一見バックロードホーン型に似ていますが、QL型とバックロードホーンとではユニットの取付位置が異なり、QL型では管の途中でつけられています。
QuartLam-IIIでは管の長さを1.8mで設計しており、これに1/4波長で共振する周波数(最低共振周波数)は47.2Hzとなり、これが低域の下限周波数となります。
また、共鳴管なので共振周波数は47.2Hzを最低として整数倍の周波数に共鳴が発生します。これを防ぐため仕切り板にテーパーをつけて管の太さを変えたり、管の一部に適度の吸音材を貼付ける、チューニングポートを設けて調整する、スピーカーの取付位置を厳密に選ぶなどの対策が施されています。これらの対策によってQを下げレスポンスの乱れを防いでいます。

低域には16cmコーン型ウーファーであるW-1608Cを搭載しています。
このユニットでは軽量・長繊維コーン紙とコンプライアンスの高いウレタンΩ型ロールエッジによって明るく豊かな低音再生を実現しています。また、磁気回路には直径100mmの大型マグネットによる磁気回路と大口径30mmのアルミ箔ボビンのボイスコイルを採用しており、ダンピングやリニアリティを改善しています。

高域には8cmコーン型トゥイーターであるTW-825A/TW-825Bを搭載しています。
これらのユニットはエッジが異なっており、フィックスドエッジとフリーエッジをそれぞれ採用しています。これにより同じ8cm口径でも異なる特性を持たせ、受け持ち帯域をずらしてスタガーにオーバーラップさせることで高域の再生能力を高めています。
また、ネットワークもそれぞれ独立させた構造となっています。

後面にレベルコントロールを搭載しており、トゥイーターのレベルが3段階に切換ります。
また、Minimumポジションではトゥイーター1がカットされます。

エンクロージャーには硬質パーチクルボードを採用しており、前面バッフルは板厚を特に厚く取っていま。

機種の定格
方式 2ウェイ・3スピーカー・QL方式・フロア型
使用ユニット 低域用:16cmコーン型(W-1608C)
高域用:8cmコーン型(TW-825A、TW-825B)
再生周波数帯域 47Hz~20kHz
最大入力 40W
出力音圧レベル 94dB/W/m
インピーダンス
クロスオーバー周波数 1kHz
レベルコントロール 高域用、3ステップ
外形寸法 幅240x高さ730x奥行380mm
重量 13.5kg